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IBMが示すクラウド戦略--マルチクラウド強化、セキュリティとAI

Larry Dignan (ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2018-03-20 19:08

 IBMは米国時間3月19日からネバダ州ラスベガスで「Think 2018」カンファレンスを開催している。最高経営責任者(CEO)Ginny Rometty氏は、同社がデータセンターおよびプライベートクラウドと、パブリッククラウドの間の懸け橋になるとともに、人工知能(AI)やブロックチェーン、量子コンピューティングといった分野のワークロードを実行する顧客の獲得を目指すなか、同社のマルチクラウド戦略などについて20日に概要を説明するとみられる。

 IBMは同カンファレンスで、ハイブリッド配備を橋渡しするさまざまなツールやサービス、テクノロジを説明する。こうした取り組みは、既存の「IBM Cloud Private」や、「Kubernetes」コンテナのサポートの上に構築されるものだ。

 その重要なポイントには以下が含まれている。

  • IBM Cloud Privateプラットフォームに対するクラウド移行ツールが追加される。これらツールには、アプリケーションをチェックし、クラウドに移行するためのガイダンスを提供する「Application Transformation Advisor」や、これらアプリケーションをオンプレミス環境に、あるいは顧客が選択したクラウド上に配備するための支援を提供する「Cloud Automation Manager」などがある。
  • Kubernetesコンテナに対するサポートが拡充される。IBM Cloud Privateにおいて、IBMのアプリ開発/管理ソフトウェアの新しいコンテナバージョンが提供される。これらコンテナバージョンには「API Connect」や「UrbanCode」「Netcool」が含まれる。また、.NETアプリが稼働している「Windows」コンテナに対する新たなサポートも追加される。
  • 「IBM Cloud Integration」プラットフォームが新たに提供される。これにはメッセージングやAPI管理、アプリ統合、セキュアなゲートウェイ、高速なファイル転送ソフトウェアが含まれる。
  • クラウドへの高速なデータ転送機能が提供される。「IBM Cloud Object Storage」において、「IBM Aspera」を通じた高速データアップロードオプションが提供される。

 また、IBM Cloud Privateに関して同社は、金融サービス分野の顧客を複数獲得していることにも触れている。さらにIBMは、Cisco Systemsとの製品の互換性に関する連携に言及し、IBM Cloud Privateが複数のシステム上でプライベートクラウドを構築できるとした。

 こうした発表から、マルチクラウドの世界における同社のクラウドサービスとソフトウェアを強固なものにするというIBMの計画が見えてくる。同社のパブリッククラウドに全面移行する新規顧客獲得の可能性よりも、同社がオンプレミスやハイブリッドクラウドで強い地盤を築いている点に目を向けると、同社の戦略は多くの面で理にかなっていると言える。

 これに加えてIBMは、セキュリティとAIにまつわる、クラウド関連のその他複数の取り組みについても明らかにしている。主要な内容は以下の通りだ。

  • メインフレームレベルのデータ保護を実現したクラウドサービス。開発者や顧客は、アプリケーションのホスティング時に、メモリ上や移送中、保存中のデータに対してIBMのデータ暗号化技術を使用できるようになる。
  • 「IBM Cloud Hyper Protect」ファミリに、暗号化サービス(「Crypto Services」)と、サービスとしてのデータベース(「DBaaS」)、コンテナ(「Containers」)、開発者向けスタータキット(「Developer Starter Kits」)という4つの新しいサービスが追加される。
  • 「POWER9 on IBM Cloud」によって「Power Systems」サーバと「POWER9」プロセッサのプロビジョニングが可能になる。なお、このプロセッサはAI分野のワークロード向けとして新たに設計されたものだ。
  • 「PowerAI on IBM Cloud」。これは最適化された機械学習(ML)パッケージであり、複数のフレームワークをサポートする。
  • 「SAP HANA on Power Systems on IBM Cloud」。これは「SAP HANA」用のマネージドクラウドサービスだ。
  • アナリティクス企業New Relicとのパートナーシップ締結。これによりNew Relicは、ドイツのフランクフルトに設置されているIBMのクラウドデータセンターを使用できるようになる。またIBMは、「New Relic Platform」を再販するとともに、同ソフトウェアをIBM Cloudの契約にバンドルしていく。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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