Gartnerの新たな調査によると、最高情報責任者(CIO)はコスト削減よりもビジネス上の価値を強化するソリューションに関連したIT予算を検討する傾向があるという。Gartnerは、今日のCIOの優先順位などに関する調査の結果を公開している。
調査に回答したCIOは、「最大または最速のコスト削減よりも」ビジネスの価値や成果の実現が最も重要な要素とした。
コスト最適化のアイデアについては、ビジネスの価値を実現し、ROI(投資利益率)を確実にすることの必要性が、サイバーセキュリティリスクの低さや業績ベンチマーク、業務上のリスクが低いことよりも優先度が高いようだ。

Gartnerのリサーチ担当バイスレジデントであるStewart Buchanan氏は、「ITシェアードサービス内でのコスト最適化の機会を選択したり承認したりする上で、最も大きな影響を持つのはCIOだ」とし、「興味深いことに、デジタルビジネスチャンスにフォーカスするCIOは、そうではないCIOよりもコスト最適化の責任を負っている」と述べた。さらに「このことは、CIOが事業コストを最適化するデジタルビジネスアイディアの選択や承認に影響を与え始めていることがうかがえる」と述べている。
不況で多くの企業が倒産し、生き残った企業は維持するために深刻なコスト削減や再編を余儀なくされた。経済の見通しは以前よりも好調だ。そして収益と成長、拡大のバランスを維持する必要がある一方で、ビジネスの価値を将来に向けて維持する上で投資が鍵となっている。
ここ数年で、2.5倍のIT組織が財務的なコントロールを失うよりも獲得しているという。IT予算はこれまでよりもビジネスにフォーカスしたものとなり、半分近くのデジタル技術支出がビジネスにより支払われた。
Buchanan氏は、「単にIT支出を減らすだけでは不十分だ。CIOは成長と変革に再投資し、さらなる価値をもたらさなければならない」と述べている。
さらにGartnerは関連するニュースで、デジタルツインのテクノロジが近くエンタープライズの分野で注目を集めるようになると予想している。
デジタルツインは、IoTデータの収集によって実現する、物理資産の仮想的な複製だ。Gartnerによると、IoTのメリットを得ている企業の48%が、2018年末までにデジタルツインのソリューションを使用する、あるいは使用する計画だという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。