人工知能(AI)と機械学習(ML)の台頭は、「Core ML」「Google TensorFlow」「ONNX」などオープンソースのAIやMLソフトウェアによるところが大きい。このことにはMicrosoftのAzure担当最高技術責任者(CTO)であるMark Russinovich氏も最近、言及している。このような背景の中、Linux Foundationは米国時間3月26日からロサンゼルスで開催中のイベント「Open Networking Summit」で、「LF Deep Learning Foundation」の設立を発表した。オープンソースのAIやMLを促進するのが目的だ。
Linux FoundationはLF Deep Learning Foundation立ち上げと合わせて、その一環となるプロジェクト「Acumos AI Project」も発表した。AIアプリの構築、共有、実装を容易にするオープンソースのフレームワークおよびプラットフォームとなる。
Acumosは、すぐに汎用のAI環境を動かすのに必要なインフラスタックとコンポーネントを標準化することで、これを実現する。特に、TensorFlow、「SciKit Learn」などのツールキットを含み、共通のAPIでモデリングするため、開発者はシームレスにこれらをつなぐことができる。データサイエンティストやモデルトレーニング担当者は、土台のAIやMLを心配することなく自分たちの専門分野に専念できるという。
ML、深層学習、分析モデルの作成、共有、発見が容易になることで、AIの能力に誰でもアクセスできるようになる。AT&Tは、「Acumos Platformのオープンソース化の目標は、ウェブサイトを構築するようにAIアプリケーションを簡単に構築、実装できるようにすることだ」と述べている。Linux FoundationはAcumos AIプラットフォームに加え、エコシステムを支援するAcumos Marketplaceもホスティングする。
AT&TとTech MahindraによるAcumosの初期のコードが、すでにダウンロードできるようになっている。
今後、百度(バイドゥ)がKubernetesの柔軟なスケジューリングをオープンソースのPaddlePaddleの耐障害性機能と組み合わせて利用できるAI/MLコードを貢献することになっている。さらに、騰訊(テンセント)の高性能分散MLプラットフォーム「Angel」のプロジェクトも、Acumosに組み込まれる予定だ。Angelは、テンセントがビックデータやモデル向けに北京大学と共同で開発したものだ。
LF Deep Learningの設立メンバーには、Amdocs、AT&T、B.Yond、バイドゥ、華為技術(ファーウェイ)、Nokia、Tech Mahindra、テンセント、Univa、ZTEが名を連ねている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。