アクロニス・ジャパンは、今後12カ月でランサムウェアによる損害が110億ドルになるという予測を発表した。
この予測は、データ保護に関する意識調査やセキュリティの専門家の意見などから導き出したもので、調査結果は2017年11月に発表された。これによると、60%を超える回答者が、ランサムウェアについて聞いたことがないと答えている。さらに62%は、ランサムウェアがファイルおよびバックアップを暗号化できることを知らず、33%は各自のデータをバックアップしていないと回答した。
2017年のランサムウェアによる損害は約50億ドルで、同年ランサムウェア亜種の数は46%増加し、被害防止と検出はますます難しくなっている。同社では、ランサムウェアによって、2018年に企業が40秒に1社の頻度で攻撃されているのに対し、今後2年間には14秒に1社となるとした上で、個人への攻撃はそれよりはるかに頻繁に起きるだろうとしている。
また、現在利用しているウイルス対策ソフトウェアでは直面している脅威を止めることはできないと考えている組織が69%に上っているという米Ponemon Instituteによる調査結果を挙げ、最大の懸念として、被害を受けた企業や機関がシステムとデバイスをプロアクティブに保護するのではなく、ランサムウェアに要求の金額を支払おうとすることだとした。
2018年3月上旬に完了したアクロニス独自の調査では、回答者の約39%が家庭内に4台以上のデバイスをもっており、29%以上がデータ損失を経験している。同調査は米国、英国、オーストラリア、ドイツ、スペイン、フランス、日本の7カ国の一般のインターネット利用者を対象としたもの。
同社では、ランサムウェア対策には、人工知能ベースの積極的な保護による防御を備えた安全なバックアップソリューションが有効だとした。また、データを保護する方法として、重要なデータは必ずバックアップを取ること、OSとソフトウェアを常に最新の状態に保つこと、不審な電子メールやリンク、添付ファイルに十分注意すること、ウイルス対策ソフトウェアをインストールし、自動更新されるように設定することなどを挙げている。