調査

GDPRの施行まで2カ月弱、企業の対策に遅れ

Alison DeNisco Rayome (TechRepublic) 翻訳校正: 編集部

2018-04-04 11:48

 欧州連合(EU)の「一般データ保護規則(GDPR)」が5月25日に施行されるが、多くの企業がGDPRに準拠できていないという。これは、AvePointとCentre for Information Policy Leadership(CIPL)による調査の結果だ。

 この調査は多国籍企業235社を対象としたもの。そのうちの60%が「データの識別とタグ付けについて対策していない」と回答した。自社が保持する機密情報と、それらがどのように使われているかなどについて把握していないことになるという。

 GDPRは、欧州に拠点を持つ企業のデータの保護について正式な規制を設けるものだ。EUに顧客を持つ企業も対象となる。準拠していない企業は、最大で年間売上高の4%または2000万ユーロ(約26億円)の罰金を課されることになる。

 「この調査結果は、企業が準拠のための取り組みという点で適切な状態ではないことを示している。GDPRは個人レベルまで変化を実施するために上からの管理監督が必要であるということを再確認するものとなる」とAvePointの最高リスク・プライバシー・情報セキュリティ責任者、Dana Simberkoff氏は記している。「2018年5月25日の期日が迫っている。この調査は、大規模な改善が必要な分野にスポットを当てるものとなった。まずは、GDPR対策において自社がどの段階にあるのかを把握することが大切だ」とSimberkoff氏は続けている。

 企業の3分の1以上が、各個人のリスクの識別と分類のための措置やフレームワークを持っていないこともわかった。別の3分の1が、そのためのフレームワークを開発中という。

 グローバル企業は、GDPR対応の取り組みにあたって追加の人員をつけているようだ。調査では、32%の企業が「GDPR関連プロジェクトに当てる人員を増員している」と回答、これは1年前の4分の1以下からの増加となる。

 GDPR準拠のための取り組みにおいて特に大きな分野となるのが、包括的なプライバシーコンプライアンスプログラムの構築と維持だという。半分以上の企業が「GDPR対応のための予算を増やしている」と回答、増加の幅は、数十万ドルのところもあれば、5000万ドルと回答する企業もあったようだ。GDPR関連の支出で最優先されるのは、技術ツールとソフトウェアだという。


提供:iStockphoto/mixmagic

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    マンガで解説!情シスが悩む「Microsoft 365/Copilot」の有効活用に役立つ支援策

  2. 運用管理

    データベース管理の課題を一挙に解決!効率化と柔軟性を両立する新しいアプローチとは

  3. セキュリティ

    新入社員に教えるべき情報セキュリティの基礎知識--企業全体を守るための基本ルールを徹底解説

  4. セキュリティ

    警察把握分だけで年間4000件発生、IPA10大脅威の常連「標的型攻撃」を正しく知る用語集

  5. ビジネスアプリケーション

    AIエージェントの課題に対応、生成AIの活用を推進するための5つのデータガバナンス戦略

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]