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ウエアラブルIoT企業に変貌した繊維会社 - (page 2)

田中克己

2018-04-12 07:00

手軽に着られる服とサービス提供へ

 大学卒業後、パナソニックに入社し、その後、シスコやSAPジャパンで営業を務めた三寺社長は2014年、「父から入ってほしい」と言われて、倒産寸前に追い込まれていたミツフジに入社したという。当時、37歳だった三寺社長はウエアラブルIoTによって、目の前の課題を解決することに価値を見出せると考えた。「誰よりも、顧客のことを知り、誰よりも課題を早く解決できる企業になれば、ミツフジが必要となる」。

 顧客からの評価は出てきた。1年半前わずか5人だったミツフジの従業員は2018年3月末、役員を含めて約35人になった。今も25程度のプロジェクトが並行して走っており、「人材は逼迫し、パートナー企業に協力してもらっている」(三寺社長)。海外からの引き合いも増えている。大学の研究機関や製薬会社の共同研究など海外案件は2割を占めており、ニューヨークに続いて、パリに出先を設ける計画もある。

 「手軽に着た服で、健康管理のできる社会に向けた商品やサービスを開発する」と、三寺社長は目指す方向を話す。手軽とは、「山に登る」「ドライブをする」「子供が遠足に行く」といった時に着る服のこと。ゴルフ場がプレイヤーの健康・安全のために着てもらうゴルフウエアを用意する。そんな毎日、着るものではない服向け需要やサービス活用が期待されるという。

 ミツフジは2018年5月、月額の定額料金で提供を見守りサービスを開始する。これまでの銀メッキ繊維を使った服やトランスミッターなどデバイスを販売する方法から、見守りサービス用として、1ユーザーあたり月額5000円のストックビジネスにする。料金には、年間6枚の服とトランスミッター1個、システム利用料が含まれている。見守りサービスから開始し、介護サービスなどへと広げていく計画。同時に、サービス提供ビジネスの経験があるIT企業などの販売店を募り、2018年内に10万ユーザー、2019年夏に50万ユーザーを獲得し、100億円のビジネスを目指す。三寺社長の夢は膨らむ。

田中 克己
IT産業ジャーナリスト
日経BP社で日経コンピュータ副編集長、日経ウォッチャーIBM版編集長、日経システムプロバイダ編集長などを歴任し、2010年1月からフリーのITジャーナリストに。2004年度から2009年度まで専修大学兼任講師(情報産業)。12年10月からITビジネス研究会代表幹事も務める。35年にわたりIT産業の動向をウォッチし、主な著書に「IT産業崩壊の危機」「IT産業再生の針路」(日経BP社)、「ニッポンのIT企業」(ITmedia、電子書籍)、「2020年 ITがひろげる未来の可能性」(日経BPコンサルティング、監修)がある。

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