ここで重要な疑問が浮かび上がってくる。GPUデータベースは独立したソリューションとしてどの程度の将来性があるのだろうか?従来型のCPU指向データベースでもアーキテクチャを再設計してGPUの利点を生かせるようにすれば、GPUデータベースと同じことを実現できるはずだ。
もちろんそれは簡単な話ではないが、既存のデータベース企業がその道を選択した場合、彼らを阻むのは難しいだろう。実際のところ、既存のデータベース企業は買収などの手段を採ることもできるはずだ。それはBlazegraphの例を見れば明らかだろう(同社の技術は「Amazon Neptune」に生かされている)。AWSはこれによってGPUベースのグラフデータベースを手に入れたのだ。
Leichner氏によると、SQreamはGPUデータベースをゼロから開発しており、多くの特許を取得しているという。同氏は、既存のベンダーが自社のDBMSでGPUの能力を活用できるようにしたり、ゼロからGPUデータベースを開発したりする可能性はあるものの、GPU分野における既存ベンダーを買収の対象に据える方が理にかなっているという点を認めている。
同氏はSQreamについて、現時点で買収されることを望んでいるわけではないと付け加えたものの、将来的な可能性については否定しなかった。現時点において、X-IOとの提携によりSQreamはエッジでのアナリティクスに一歩近づいたと言える。
エッジでのアナリティクスが重要になりつつあるなかで、GPUデータベースの使用によって、指数関数的に増加するデータストアを確実に取り扱い、データの格納やアナリティクスを合理化することで、競争に欠かせないビジネスインテリジェンスを獲得するという、重要な課題の1つが解決できるとLeichner氏は認識している。
エッジでのアナリティクスにおけるユースケースと、例えばMapR Technologiesに代表されるHadoopベンダーによって引き起こされる競合についてコメントを求められた同氏は、こういったものを競合ではなく補完的なソリューション、あるいは同じエコシステムの一部となり得るソリューションだと捉えていると答えた。
この分野が合併や買収によって、どのように変化していくのかにかかわらず、進歩していくのは間違いないだろう。GPUのコモディティ化によって今後、並列処理のメリットがどうなっていくのかが楽しみだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。