日本オラクルは4月4日、経理・財務領域で人工知能(AI)を活用するための「Oracle Adaptive Intelligent Applications for Enterprise Resource Planning(ERP)」を発表した。既存のERP Cloud suiteの機能を強化するとしている。
オラクルは、2017年から各種業務アプリケーションでAIを利用するための「Adaptive Intelligence」を提供し、顧客体験管理の「Customer Experience Cloud」などでは既に利用できる。Adaptive Intelligenceは、サードパーティーを含む約50億の企業や消費者のIDと7兆5000億以上のポイントを持つ「Oracle Data Cloud」で集めたデータをAIで利用するためのプラットフォーム。
同社は、Adaptive IntelligenceをERPに適用することで、売掛・買掛や調達、決算などに関する業務の改善や自動化を通じた人的ミスの削減、リスクなどの予測精度の向上、意思決定の迅速化といった広範な効果を財務・経理部門に提供するという。
一例として、全国展開するある大手小売業の財務部門が、ERPでAdaptive Intelligenceを利用した場合、購入履歴や売上比率、割引率などのサプライヤー関連情報と、信用情報といったサードパーティーが提供企業属性のデータを組み合わせ、納入品質を維持しながらサプライヤー単位での取引の最適化を図れると説明している。