ブロックチェーン、RPA、AIをクラウドに取り込みクラウドERP推進--日本オラクル

怒賀新也 (編集部)

2018-04-05 10:25

 日本オラクルは4月4日、都内で記者発表会を開催し、ERPクラウドの最新動向について、人工知能(AI)を用いた業務の自動化支援の観点から説明した。

 AIを搭載した経理財務領域の新たな拡張アプリケーションとして「Oracle Adaptive Intelligent Applications for Enterprise Resource Planning(ERP)」を発表。2018年中に提供を開始する。

 これはデータサイエンスや機械学習を、「Oracle Data Cloud」やパートナーから得たデータに適用することにより、取引の自動化やビジネスプロセスの合理化を実現しようとするもの。

 背景に、オラクルがERPクラウド領域において、ブロックチェーンやRPA(Robotic Process Automation)、AI/機械学習といった新たな技術をいち早くクラウドに取り込み、業務改革を支援する取り組みに注力していることがある。

 例えばブロックチェーンでは、グループ企業間など会社間取引の効率化支援を目指す。システムが異なるグループ内の取引をブロックチェーンで連係させ、財務会計エリアにおいて単一情報源として共有することで、照合コストを削減する。結果として、決算とレポーティングの早期化を図れる。

 RPAでは、経理財務業務の自動化を促進する「Intelligent Process Automation」を展開する。アプリケーションを組み込んだRPAの実践により、これまで自動化できなかった業務領域を効果的かつ、継続的に自動化するという。

 日本オラクルの常務執行役員、クラウドアプリケーション事業統括ERP/EPMクラウド事業本部長の桐生卓氏は「日本でRPAが比較的多く受け入れられているのはERPがしっかり入っていないから。ERPでカバーしきれていない部分にRPAが導入されている」との認識を示しており、RPA分野においてきめ細かい支援をしていく。

 桐生氏は、経理財務業務のRPAなどによる自動化の可能性について、McKinseyによる調査結果を紹介した。一般会計、財務コントロールと外部報告、税務管理、財務計画と分析など比較的に自動化しやすい領域と、財務資金管理、リスク管理、外部リレーション、事業開発など自動化がやや難しい領域があると話している。

日本オラクルの常務執行役員、クラウドアプリケーション事業統括ERP/EPMクラウド事業本部長の桐生卓氏

日本オラクルの常務執行役員、クラウドアプリケーション事業統括ERP/EPMクラウド事業本部長の桐生卓氏

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