調査

金融業は活発なIT投資へ--ITR調べ

NO BUDGET

2018-04-07 08:00

 ITRは4月3日、2017年8月から9月に実施した「IT投資動向調査2018」の中から、金融業におけるIT予算の増減傾向とITスタッフの割合の現状と計画を発表した。調査結果を企業ごとのリクエストに応じて集計・提供する、IT投資動向カスタムレポートサービスも開始する。

 金融業におけるIT投資の動向を確認するため、IT予算の増減傾向を指数化した「IT投資増減指数」を見てみると、金融全体では2018年度の予想値は2.41となり、活発なIT投資の姿勢が示された。2017年度の実績値の2.75は下回り、投資の勢いが減速しているものの、引き続き高い投資意欲が予想される。より詳細な業種別で見ると、「生命保険」の2018年度との予想値と2017年度の実績値ともに5.15になり、詳細業種の中で最も積極的な投資を継続すると見られたという。


「金融業種別に見るIT投資増減指数の変化(2017〜2018年度予想)」

 調査では、金融業におけるIT業務に従事するITスタッフ数を、IT部門の正社員、自社向け業務に従事するIS子会社の社員、派遣・外注・アルバイトなどその他ITスタッフ、ユーザー部門のITサポート社員、の4つの種別ごとに問い、全従業員数に対する各ITスタッフ数の割合を算出している。

 金融全体では2018年度計画の全ITスタッフ割合は8.9%となり、中でも「正社員」が3.5%と最も高い値となった。詳細な業種別に見ると、2018年度はすべての業種で「正社員」を前年度よりも増員する計画で、特に「証券」は4.3%と高い割合を見込んでいる。


「金融業種別に見るITスタッフ割合の現状と計画」

 これらの結果から、ITRでは、2018年度の金融業のIT投資において「生命保険」が突出して高い数値となった背景には、「Insurance(保険)」と「Technology(テクノロジ)」を掛け合わせた「InsurTech(インシュアテック)」といった革新的な保険サービスの隆盛と、RPAなどによる既存業務効率化に向けた積極的な投資が影響していると分析している。さらに、今後は経営層がIT人材の育成・確保に関与し、より戦略的なIT人材の活用が進むと予想した。

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