Intelは、CPU脆弱性「Meltdown」と「Spectre」への対応を進めてきたが、一部の古いCPUファミリについて、パッチを適用する計画を取りやめるという。修正を施すのが不可能なものや、広くサポートされていないものがあるためだ。
Intelはこの数カ月、Spectre(Variant 2)を修正するマイクロコードのアップデートのリリースを繰り返してきた。だが、過去5年ほどの間にリリースされたプロセッサにアップデートを提供してきたものの、一部の旧型CPUにパッチを適用しないことを明らかにした。
米国時間4月2日付けの最新の「Microcode Revision Guidance」では、マイクロコードアップデートを作成中とされていたいくつかのCPU製品ファミリのステータスを「停止(stopped)」としている。こうした製品ファミリには、「Core」「Celeron」「Pentium」「Xeon」ブランドのCPUも含まれている。
これらのチップのほとんどは古く、2008年に製造が開始されたものもあり、今では、すでにパッチが適用された「Kaby Lake」「Skylake」「Coffee Lake」CPUほど広く利用されていないとみられる。
Intelは大きな理由を3つ挙げ、そのうちの1つまたは複数が当てはまる製品についてはSpectre(Variant 2)向け修正パッチの作成を中止したと述べている。
Intelは次のように説明している。「これらの製品について、マイクロアーキテクチャとマイクロコードの性能を総合的に調査した結果、以下に挙げるもののうち1つまたは複数が当てはまる製品向けにマイクロコードアップデートをリリースしないことに決めた。また、以下に当てはまるものだけに限定されるわけではない」
- マイクロアーキテクチャの特性上、「Variant 2」(CVE-2017-5715)を緩和する機能の現実的な実装が不可能になっている。
- 提供されている商用システムソフトウェアサポートが限られている。
- 顧客からの情報によると、これらの製品のほとんどは「クローズドシステム」として実装されているため、この脆弱性を突かれる可能性が低いと見られる
アップデートされないCPUファミリには、「Bloomfield」「Clarksfield」「Gulftown」「Harpertown Xeon C0」「Harpertown Xeon E0」「Jasper Forest」「Penryn/QC」「SoFIA 3GR」「Wolfdale C0」「Wolfdale M0」「Wolfdale E0」「Wolfdale R0」「Wolfdale Xeon C0」「Wolfdale Xeon E0」「Yorkfield」「Yorkfield Xeon」が含まれる。
Intelは3月、次にリリースされる第8世代の「Intel Core」プロセッサには、Spectre(Variant 2)とMeltdownに対する修正パッチが組み込まれると発表した。
Intelの広報担当者は次のように述べている。「過去9年を超える期間にリリースされ、Googleが発見したサイドチャネル攻撃を可能にする脆弱性への対処が必要なマイクロプロセッサ製品について、マイクロコードアップデートのリリースを完了している。ただし、最新のMicrocode Revision Guidanceに記載しているように、限定的なエコシステムのサポートや顧客からの意見など、いくつかの理由により、一部の旧型プラットフォームにはマイクロコードアップデートを提供しない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。