Sumerianは、Appleの「ARKit」やAndroidの「ARCore」と競合するが、これらの取り組みはモバイルやアプリに焦点を当てている。AWSは、次のようなアプローチで簡単にARを開発できるようにしようとしている。
- よく使われるアイテムや、モデルのライブラリを提供する
- シーンやその他のアセットを無料で提供する
- ブラウザを利用することで、企業が場面に応じてARやVRの体験を利用できるようにする
- AWSとの統合によって、ワークフローや開発手順を自動化する
AWSはAR、VR、Sumerianに対して非常に真剣に取り組んでおり、同社が標準化団体であるW3Cの標準と連携するのはこれが初めてに近い。「WebXR API」は、VRとARをはじめとして、さまざまな没入型コンピューティングを1つにまとめる技術として設計されている。WebXRの標準は、W3Cのコミュニティグループ「Immersive Web Community Group」によって、GitHubで提供されている。
WeatherBugのプレジデント兼ゼネラルマネージャーOlivier Vincent氏は、AWSのSumerianとその関連サービスは、物語を語る新たな手法への入口だと述べている。WeatherBugは、Sumerianのホストを使って、人間の気象キャスターが大都市向けに提供しているような形式で、郵便番号で表される地区単位での局地天気予報を提供している。「Sumerianによって、気象データに関する話をストーリーや感情を込めて語れるようになった」とVincent氏は言う。「われわれはデータだけでなく、天候についてどう感じているかについても伝えている」
WeatherBugが狙っているのは、より大規模に天気予報サービスに気象キャスターを取り戻すことだ。Sumerianやその音声合成サービスを使えば、3DやAR、VRなどの技術による天気予報を何十万通りも提供できる。「人間の気象キャスターで、世界中の都市の天気予報を提供することはできない」とVincent氏は言う。