米ZDNet編集長Larryの独り言

AWSのウェブベースAR/VR開発ツール「Amazon Sumerian」--企業の活用拡大へ - (page 3)

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2018-04-11 06:30

 同氏によれば、WeatherBugはこの目標を実現するために天候の3Dモデル表示やARの技術を試していたが、AWSのおかげで計画を加速できたという。同社の開発者は、コーディングではなく、ホストが天気予報の中で使うアセット(小道具、3Dモデル、照明など)を仕上げるのに時間を費やせるようになった。WeatherBugは最初、AppleがiOS用に提供している「SceneKit」を使おうとしたが、3Dのシーンを作るにはかなり専門的なスキルが必要だった。「Sumerianが提供している抽象レベルは、大規模に利用しやすい」と同氏は述べている。

 さらに同氏は、WeatherBugの規模が拡大するに従って、iOSやAndroid用のARツールを置き換えていく予定だと付け加えた。

 Electronic Caregiverの最高技術責任者(CTO)Bryan Chasko氏は、Sumerianを試用できるようになる前に、バーチャル健康アシスタントの3Dペルソナとして「Addison」を作成してあったが、最終的にはサービスをAWSに移行するつもりだという。

 Addison CareとElectronic Caregiverは、米ニューメキシコ州のラスクルーセスに本社を置き、バーチャル健康管理事業にも乗り出しているSameDay Securityのプラットフォームだ。Addisonは、自宅にいる人の健康状態を監視し、歩き方や転倒のリスクを分析することができるバーチャル介護士として機能する。在宅医療で転倒は大きなリスクだ。Chasko氏によれば、Addisonはもともと、複雑なゲーム用のエンジンと3Dモデリングソフトウェアで作られたものだった。

Addison Care

 しかしAddison Careは、人工知能(AI)やマシンビジョン、機械学習などの要素を組み込まなくてはならなかった。AWSのSumerianにはこれらのサービスがあらかじめ統合されているため、決定木を追加するのが簡単になったという。Addison Careは、評価用に薬局にも展開されている。この利用事例は、サービス業などの企業がSumerianのホストで目指すような事例に近い。

 「われわれは、Addisonに共感する能力を持たせ、顧客と個人的なつながりを作らせたいと思っている」とChasko氏は言う。「Sumerianは、そういった結びつき作りを加速させることができる」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]