2018年は中期計画達成に向けた具現化の年--NTT Comが方針説明

渡邉利和 2018年04月11日 10時07分

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NTTコミュニケーションズ 代表取締役社長の庄司哲也氏

 NTTコミュニケーションズは4月10日、2018年度の事業戦略について説明を行った。2017年度に発表した中期経営計画の「グローバルストラテジー2017」を踏まえた2018年度版としてのアップデートを紹介した。

 説明を行った代表取締役社長の庄司哲也氏は、まず2017年の事業戦略を振り返り、「高品質/高信頼のインフラの強化に務めること」「SDx(ソフトウェア定義型技術)+M(マネジメント)、AI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)といった柔軟で迅速なカッティングエッジのサービスの拡充に努めていくこと」「B2B2x型のパートナリングの強化を図ること」という、3点の重点項目を挙げ、これらに改めて注力していくとした。

 その成果については、「グローバルで数百件のSDx+Mソリューションの提案事例を積み上げることができた」という。その上で、2018年度について同氏は、「中期経営戦略“Vision 2020”の達成に向けて、私どもの真価をさらに具現化していく年と捉えて」いると語った。

 庄司氏の説明では、同社が現在注力している事業が分野ごとに紹介されたが、ここでは独自の技術開発の成果が多く含まれる、セキュリティ関連の取り組みについて簡単に紹介しておこう。

 現在、多くの企業がデータの利活用を意識し、取り組みを強化すべきだと考えている一方で、セキュリティなどのさまざまな懸念が障害になっている。「デジタルトランスフォーメーション」という文脈で考えれば、データの利活用は必須とも言える。この部分で適切な支援を行うことが、日本企業のデジタルトランスフォーメーションを直接的に支援することにもなり、同社の重点的な取り組みが見られる分野となっている。

 まずIoTの分野では、デバイス側、ネットワーク側、OT(オペレーショナルテクノロジ)/IT環境の3つのレイヤでそれぞれ異なるセキュリティ対策の実現に取り組んでいる。デバイス側のセキュリティ対策には、大日本印刷(DNP)とともに開発に取り組む「Secure SIM」が挙げられる。SIM上にセキュリティ機能をあらかじめ実装しておくことで、SIM自体や通信を保護しようとするものだ。次いで、ネットワーク側では機械学習を活用した不正通信の対策機能により、正常時の通信と異なるパターンでの通信を遮断するなどの対策が考えられている。最後に、OT/IT環境での対策としてはOT環境とIT環境で異なるものとなり、それぞれにサイロ化しがちなセキュリティ対策を一元化し、統合的に運用できる対策環境の構築支援を行う。

 IoTに限らない一般的なデータのセキュリティ対策としても、大きく3つの取り組みとして、「秘密分散」「秘密計算」「匿名化」の3つの技術が紹介された。

 秘密分散では、機密情報を蓄積する際に、データを小さな“断片”に分割してそれぞれを暗号化して格納することで、万一の際に一部が流出したとしても全体の復元を不可能にするというものになる。秘密計算は、秘密分散との組み合わせが有効な技術となるが、暗号化されたデータに対する分析/解析といった計算処理は、従来は復号化してからでないと実行できなかったのを、復号化せず暗号化された状態のまま計算処理を実行できるようにするというものだ。具体的な方法には触れなかったが、ユニークな着眼点だと言えるだろう。

 3つ目の匿名化に関しては、個人情報保護の観点から利活用に制約が課せられるようなデータに対して、個人情報を含まない匿名化されたデータに変換した上で活用することを支援する。匿名化の際に、その後の利活用のあり方を踏まえた最適な処理を行うことで、データの価値を維持したまま効果的に個人情報を取り除く手段を提供するという。データの利活用を推進するためには、実際にはさまざまな困難が存在するが、セキュリティ分野での同社の取り組みは、実現した際の恩恵が極めて大きいことが予想され、ユーザー企業に取っては歓迎すべきものと言えそうだ。

フラットフォーム提供事業者としての役割に加え、ソリューション構築のパートナーとして選ばれるという点を重視していく方針

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