NTT西日本と日立製作所は4月11日、長崎県五島市に鳥獣害対策システムを導入したと発表した。野生鳥獣の出没と捕獲を検知するセンサを地理情報システム(GIS)と連携させ、作動状況をリアルタイムに通知、可視化する。
各センサは、野生鳥獣の出没や罠の作動を検知すると、自動で写真を撮影し、宛先に登録された捕獲員にメールを送信する。鳥獣害対策用GISは、検知センサの情報をリアルタイムに収集し、地図上に表示する。罠や柵など対策設備の情報を登録することで、鳥獣害対策に関わる情報を一元的に管理することができる。
鳥獣害対策システムのイメージ(出典:NTT西日本、日立製作所)
市街地にイノシシが出没した際には、出没検知センサを市街地に移設し、該当個体の出没エリアを把握した。さらに野生鳥獣の出没傾向の把握や対策設備の情報管理が容易になり、実態に即した捕獲計画の立案が可能となった。それ以外にも、出没地点などを地図画像として速やかに出力できるため、鳥獣害に関する住民への情報公開や長崎県への報告が容易になるというメリットも確認された。
今後、NTT西日本と日立製作所では、同システムを他の自治体にも提供していく予定。NTT西日本は鳥獣害対策業務に関する課題のヒアリングやコンサルティングを進め、日立製作所は鳥獣害対策用GISをクラウドサービスで提供できるようにする。