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松岡功の一言もの申す

「人材のシェアリングエコノミー」に対する期待と懸念 - (page 2)

松岡功

2018-04-19 10:30

シェアリングエコノミーでどんな社会を目指すのか

 福田氏によると、SAP Fieldglassは既に世界180カ国で業種を問わず650社以上に利用されており、Forrester調査のサービス調達分野において「リーダー」に認定されている。また、このプラットフォーム上では年間4兆円、1日当たり100億円以上のサービス調達が行われている。そして、顧客におけるサービス継続率は99.6%に達しているという。

 福田氏が言うように日本市場においても働き方の多様化が進みつつある中で、既に世界でこれだけの実績を上げているサービスが国内でも利用できるようになるのは、大いに期待したいところである。

 一方で、人材のシェアリングエコノミーという観点で懸念も述べておきたい。というのは、人材に限らず、シェアリングエコノミーについては考えなければならない点があるからだ。それについては、2018年1月4日掲載の本コラム「シェアリングエコノミーでどんな社会を目指すのか」で解説しているので参照いただくとして、核心部分は次の通りだ。

 「シェアリングエコノミーはさらなる経済成長につながるのか。そもそも、この新たな経済は大量生産・大量消費を前提とした現在の指標である国内総生産(GDP)を押し上げる効果はあまりない。となると、経済成長だけでなく、どんな社会を目指すのか。その社会を目指す覚悟が私たちにあるのか」

 シェアリングエコノミーを語る時は、この課題を念頭に置くべきだと筆者は考える。では、こうした考え方を人材の話に当てはめると何が考えられるか。企業における雇用や育成とのバランスが将来的に問題になるのではないだろうか。少々論点がぼやけているのを承知で、会見の質疑応答でこうした疑問をぶつけてみたところ、福田氏は次のように答えた。

 「SAP Fieldglassは今の時代の要請に応える極めて意味のあるサービスだと考えているが、企業における人材のやりとりが全てこれだけになるわけではなく、雇用側と働き手側の双方のニーズに応じた形で利用されていくと考えている」

 いつもながら、論点がぼやけた質問への同氏の対応力には敬服するばかりである。ただ、読者諸氏にはこの機にシェアリングエコノミーの本質的な課題にも目を向けていただければ幸いである。

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