今日のポイント
- 米国株式は業績堅調をあらためて材料視する相場に
- 米国の1~3月期決算発表は大幅増益でスタート
- 国内株式も業績トレンドを見直す動きとなるか
これら3点について、楽天証券経済研究所チーフグローバルストラテジストの香川睦氏の見解を紹介する。
米国株式は業績堅調をあらためて材料視する相場に
今週も日米株式は下値を切り上げる展開となった。米国市場では4月の株価堅調でダウ平均の月初来騰落率は+2.7%、S&P500指数は同+2.6%、ナスダック総合指数は同+3.3%となり、年初来騰落率もそれぞれプラスに転じた。特に、3月12日に高値を付けた後に急落したナスダック総合指数は下落幅の半分以上を取り戻し、「半値戻しは全値戻し」との格言を期待させる反発を見せている。国内市場でも日経平均株価は13日以来5日続伸し、月初来騰落率は+3.4%となっている(19日終値)。
米中貿易摩擦、地政学リスク、日米首脳会談を巡る過度の不安が後退し、市場センチメントがリスクオン(選好)に転じたことと、為替が円高一巡感を鮮明にしていることが追い風である。1月から11週連続で日本株を売り越してきた外国人投資家は、3月下旬からは3週連続で日本株を買い越してきた(4月13日までの週/東証・投資主体別売買動向)。米国株が反発してきた主要因として「業績期待の再始動」が挙げられる。図表1は、S&P500指数の業績見通しを12カ月先予想EPS(市場予想平均)と13週移動平均を示したものだ。S&P500指数の予想EPSの前年同期比は20.0%増益、12カ月累計実績EPSに対しては同28.8%の大幅増益が見込まれている。
2月以降の株価調整が一巡感を鮮明にするなか、株式市場の中期トレンドを形成するファンダメンタルズ(業績動向)が相場のカタリスト(きっかけ)となりそうである。
図表1:業績期待の復活が米国株の底入れ要因に

注:業績見通し=S&P500指数の12カ月先予想EPS(12 months forward looking EPS)<Bloomberg集計による市場予想平均>
出所: Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2018年4月18日)