HPE、VMware Cloud Foundation認定のハイブリッドIT基盤を発表

渡邉利和 2018年04月20日 10時17分

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 日本ヒューレット・パッカード(HPE)は4月19日、「HPE Synergy」をベースとしたVMware Cloud Foundation向けのハイブリッドITプラットフォーム製品「HPE Synergy with VMware Cloud Foundation」の提供を開始した。


HPE Synergy。引き出されているのはストレージモジュールで、内部に最大40台のドライブを内蔵し、コンピュートモジュールの内蔵ストレージとして扱うことができる。ブレードサーバの場合、ブレードに内蔵できるドライブは多くても2台程度のため、内蔵ストレージを活用するvSANの機能を生かしにくいが、Synergyの場合は必要に応じて十分なストレージ容量を接続できる点も強みとなる

 HPE Synergyは、2016年春にリリースされた同社の戦略製品で、「コンポーザブル・インフラストラクチャ」とも「第4世代ブレードイノベーション」とも表現される統合型製品。10Uサイズの専用のフレームに「コンピュートモジュール」「ストレージモジュール」「ファブリックモジュール」などを組み合わせてITインフラを構成する。

 一方、VMware Cloud Foundation(VCF)は、ヴイエムウェアの「統合型のクラウド管理プラットフォーム」と位置付ける製品。構成要素の面から見ると、同社の主力製品群であるvSphere、vSAN、NSX、vRealizeなどを組み合わせたパッケージ製品とも言えるが、単体では発売されておらず、VCFでしか入手手段がない運用管理ツール「SDDC Manager」が提供されるなどの独自要素もある。


VCF認定ハードウェアとなったことで、ハードウェアやソフトウェアの双方を効率的に運用できる

 今回のHPE Synergy with VMware Cloud Foundationは、HPE SynergyがVCF対応ハードウェアとしてヴイエムウェアの認定を受けたことで提供される。従来も、HPE SynergyでvSphereやvSANを利用することは可能だったが、VCFという形での導入は認定ハードウェアではないという理由でできなかったという。具体的な違いとしては、これまではHPE Synergy上でSDDC Managerを運用することができなかったものの、今後はこれが可能になることが変更点だと言える。


日本ヒューレット・パッカード 執行役員 ハイブリッドIT事業統括の五十嵐毅氏

 記者会見で同社の執行役員 ハイブリッドIT事業統括の五十嵐毅氏は、まず2017年第4四半期の国内x86データセンター向けサーバのシェアのデータを紹介。出荷台数/出荷金額ともにHPEがトップシェアを獲得したとし、好調さの理由として、PCやプリンタ事業を分割(現在は「日本HP」が手がける)した際に、それまでの「規模の追求」からフォーカスエリアを絞る戦略に転換したことで、顧客やパートナーから見た分かりやすさが向上したことを挙げた。

 またパブリッククラウド事業からの撤退などもマイナス要素ではなく、むしろ国内/グローバルを問わず多数のクラウド事業者とパートナーシップを構築できることで事業機会が拡大しているとした。その上で今回の発表については、「ハイブリッドITへの架け橋となり、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速」する取り組みだと位置づけた。


日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 クラウドプラットフォーム統括本部 テクノロジーエバンジェリストの小川大地氏

 続いて、製品概要を説明したハイブリッドIT事業統括 クラウドプラットフォーム統括本部 テクノロジーエバンジェリストの小川大地氏は、現在のIT部門が抱える課題に、経営トップやユーザー部門からクラウドの活用などを求められる一方、既存システムのメンテナンスや障害発生時の緊急対応などに手を取られ、新しい取り組みに着手する余力がないことを指摘。こうした問題の解決に、HPE Synergy with VCFが寄与するとした。

 具体的な課題としては、各種ソフトウェアやコンポーネントのアップデート作業では、多数のコンポーネントがバラバラにアップデートされることから、バージョン間の整合性問題の確認や適切な作業手順の確認などに多大な負荷が掛かっていることなどがある。

 同社が解決策として提示したのは、まずVMwareのソフトウェアコンポーネントに関しては、VCFに附属のSDDC Managerが運用管理の自動化を行う。一方、ハードウェアコンポーネントにもファームウェアなどのソフトウェア要素が含まれており、そのアップデートの負荷が発生するが、こちらはHPE Synergyの運用管理ツールである「HPE One View」で自動化が可能になる。これらによって、両者の組み合わせであるHPE Synergy with VCFでは運用管理負担の大幅な削減が可能になるわけだ。

 また、機能面だけでなく、HPEが提供する従量課金型の利用モデルである「HPE GreenLakeフレックスキャパシティ」を利用することで、利用したコンポーネントの分の料金だけを支払うことや、前もって予備のコンポーネントを無償で搭載しておき、実際に使用した場合だけ料金を支払う、といったクラウド的な料金モデルを導入することも可能になっている。

 会見にはヴイエムウェア 上級執行役員副社長の山中直氏も同席し、HPEとの密接なパートナーシップを強調した。

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