Eclipse Foundationが開発者を対象に実施した調査で、モノのインターネット(IoT)のプラットフォームに関しては、「Google Cloud Platform」が微減している一方で、「Amazon Web Services(AWS)」と「Microsoft Azure」はどちらもかなりシェアを増やしていることが明らかになった。
Eclipse Foundationが実施した、IoT開発者を対象とする4回目の年次調査では、開発者の51.8%が、IoTソリューションの実装に使用中または使用予定のクラウドプラットフォームにAWSを挙げており、Microsoft Azureが31.2%でそれに続いた。Google Cloud Platformは、2017年に比べ微減の18.79%だった。開発者は複数のクラウドプラットフォームを使用していることも多いため、回答の合計は100%にならないことに注意してほしい。2017年には調査対象外だった「Kubernetes」は、2018年に17.2%となった。
Eclipse FoundationのエグゼクティブディレクターMike Milinkovich氏は、「IoTでは明らかにクラウドの利用が増えており、AWSやAzureの利用が増加していることで分かるとおり、パブリッククラウドを利用するのが主流のシナリオになっている」と述べている。
全体像については次のグラフを見てほしい。
このグラフでもう1つ注目に値するのは、プライベートクラウド・オンプレミスでのIoT展開が、パブリッククラウドプラットフォームと比べて劣勢になっていることだ。Eclipse IoTのプログラムマネージャー兼エバンジェリストのBenjamin Cabe氏は、オンプレミスとパブリッククラウドに関する数字を解釈するには、いくつか微妙な点を考慮する必要があると述べている。例えば、開発者コミュニティーで利用が急増したKubernetesは、オンプレミスで使われている可能性も、クラウドで使われている可能性もある。また「OpenStack」も健闘しているが、これもクラウドでもオンプレミスでも展開できる。
2018年の8位以下も含めたグラフは以下の通り。ひょっとすると、このスライドでもっとも重要なポイントは、GEの「Predix」が主流から外れたことかもしれない。2017年の調査では、PredixはIoTの導入事例の5.17%で利用されていた。ところが2018年の調査では、2.1%になっている。
当然のことではあるが、Eclipseの調査ではオープンソースが有利になる傾向があるようだ。502人が回答したこの調査では、IoT開発者がやりたがっていることや、どのようなデータが収集されているか、現在もっともよく使われているツールは何か、などのことも明らかになった。
以下では、調査結果のポイントを列挙する。
- もっともよく収集されているデータの種類は時系列データであり、それにデバイス情報とログ情報が続く。
- IoTに関する懸念事項としては、セキュリティ、データの収集およびアナリティクス、接続性、ハードウェアの統合が関心を集めている。
- 構築しているシステムがどの産業向けのものかという質問に対しては、もっとも多かったのはIoTプラットフォームであり、ホームオートメーションと、産業オートメーションがそれに続いた。さらにスマートシティ、電力管理、農業と続く。
- IoTでもっともよく使われているOS・Linuxディストリビューションは、「Raspbian」「Ubuntu」「Debian」だった。回答者の71.8%がIoTデバイスでLinuxを使っていた。
- IoTでもっともよく使われているプログラミング言語はJavaだった。Milinkovich氏は、IoTに使うプログラミング言語にはあまりしゃれたものは向かず、多くの場合古典的なものが使われると指摘している。同氏は、「IoTで新しいプログラミングを使うべき説得力のある理由はない」と述べている。「ゲートウェイやクラウドを扱おうとすれば、開発者が今持っているスキルセットを考えることになる。新しいものを取り込んでもあまり役には立たない」
- IoTのデータベースではMySQLがもっとも優勢だ。
IoTソリューションの構築に使うプログラミング言語
IoTについて懸念していること
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。