調査

デロイト、テクノロジ・メディア・通信業界の2018年版予測を発表

NO BUDGET 2018年04月23日 13時37分

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 デロイト トーマツ コンサルティング(デロイト)は4月19日、2018年版のテクノロジおよびメディア、通信業界の予測レポート「TMT Predictions 2018 日本版」を発表した。

 同リポートでは、下記の11のトピックスを挙げている。

  1. 拡張現実:リアリティの最前線
  2. スマートフォン:見えざるイノベーションの時代
  3. スマートフォン:使い過ぎを心配する人々
  4. 次世代機械学習チップの勢いが加速
  5. 身近になる機械学習
  6. オンラインの世界でも「生」が魅力
  7. デジタルメディア:処方箋はサブスクリプション
  8. #adlergic(広告アレルギー)が流行中?
  9. 映像系新興メディア事業者の台頭による放送業界への影響
  10. デジタルヘルスのNext Frontierとしての行動変容
  11. 街づくりにおけるデータプラットフォームの活用

 「拡張現実:リアリティの最前線」では、10億人を超えるスマートフォンユーザーが、2018年内に少なくとも一度は、拡張現実(AR)コンテンツを作成すると予測している。また、AR機能を組み込んだアプリが新たに年間数万件規模で登場するとし、2018年末までの段階で、AR作成機能を搭載したアプリやOSをダウンロードおよびアップデートするユーザーは数十億人に達すると想定している。

 「スマートフォン:見えざるイノベーションの時代」では、今後5年間のスマートフォン市場について、普及率、使用頻度、出荷台数、市場規模、平均小売価格の全てにおいて成長し続けるとし、接続、プロセッサ、センサ、ソフトウエア、人工知能(AI)、メモリといった部分について、外からは見えない形で端末内部での性能向上が起こるとしている。

 「スマートフォン:使い過ぎを心配する人々」では、2018年、世界の成人スマートフォンユーザーの45%が特定のアクティビティでのスマートフォンの使い過ぎを心配し、同45%がさまざまな方法でスマートフォンの使用を制限しようと試みると予測している。

 「次世代機械学習チップの勢いが加速」では、2018年末までにデータセンターにおいて機械学習の高速化の目的で使用されるチップのうち、25%以上をFPGA(Field Programmable Gate Arrays)およびASIC(Application-Specific Integrated Circuits)が占めるとしている。

 「身近になる機械学習」では、2018年において、大企業および中堅企業は機械学習の活用にさらに注力するとしている。機械学習技術の実装数およびこの技術を利用したパイロットプロジェクト数は2017年から倍増し、2020年までにはさらに2倍になると予測、機械学習APIやクラウドで使用できる専用ハードウエアなどの技術により、小規模企業にも広く利用されるようになるとしている。

 「オンラインの世界でも『生』が魅力」では、リアルタイムでのコンテンツ接触の人気は衰えないとし、2018年のリアルタイム放送およびライブイベントの直接的収益を、前年比1%増の5450億ドルと予測している。その大部分をテレビ広告・有料テレビ視聴契約など従来型のカテゴリが占め、残りがライブストリーミングとeスポーツが占める。

 「デジタルメディア:処方箋はサブスクリプション」では、2018年末までに先進国の成人の半数が、オンライン(インターネットのみ)で提供されるメディアサービスの定額課金(サブスクリプション)サービスを2件以上契約し、2020年には平均契約数が倍の4件に増えると予測している。

 「#adlergic(広告アレルギー)が流行中?」では、2018年には北米の18歳以上の10%が4種類以上の広告に対し、同時にブロック行為を行うと予測される。広告主が広告をブロックする人々(特に若者、就業者、高所得者、高学歴者)にリーチするために、簡単にはブロックできない広告カテゴリが今後数年間で大きく成長するとしている。

 日本独自のトピックとして、「映像系新興メディア事業者の台頭による放送業界への影響」「デジタルヘルスのNext Frontierとしての行動変容」「街づくりにおけるデータプラットフォームの活用」が挙げられた。

 映像系新興メディア事業者の台頭では、YouTubeやAbema TV、Hulu、Netflixといった新興系の映像メディアが注目されているとし、これらの配信事業者は潤沢な資金をもとにオリジナル作品の制作を行っており、これまで放送事業者や映画会社が主体になっていた映像作品制作の体制に変化をもたらしているとした。今後は、「テレビがネットに置き換わる」という単純な構造転換にはならないが、視聴されるコンテンツのニーズは多様化し、利用シーンや使用可能な機器、放送受信環境やネットワーク環境による使い分けも起こるだろうと予測している。

 デジタルヘルスに関しては、日本のエレクトロニクス・ハイテク企業が自社のテクノロジを生かし、従来とは異なるチャネルとして、予防医療領域でのサービスビジネスへの参入や提携、保険会社との連携などを進める余地があるとした。そして予防医療領域での事業展開に際しては、(1)心理学領域への投資拡大・人材採用、(2)行動変容のアウトカムに応じたマネタイズモデルへの転換、(3)中長期視点での投資とルール形成戦略――の3つのポイントに注目すべきだとした。

 街づくりにおけるデータプラットフォームの活用では、今後は地方都市においても民間からの投資によって地域課題を解決する糸口が見出されていくだろうとし、都市をデータで「スマート化」していくことを目的に、街づくりに活用できるデータプラットフォームを構築することが前提的基盤として必要だとした。

 そして、複合的なデータを蓄積し分析可能な状態にするには、個別に存在するデータベースをAPIでつなぐ単純な構成では制約が出てくるとし、多数のデータベースにまたがる多様なデータに対応し、データ連携が容易で、より高度な分析が可能で、かつ個人情報を扱うセキュリティが担保できるプラットフォームが求められるとし、民に寄り添って新たな街づくりをしていくためには、ITプロバイダ企業が主体性をもって関与していく必要があると指摘している。

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