NECは、人工知能(AI)エンジンの「インバリアント分析」技術を、システムの稼働状況を監視する用途向けパッケージ化し、ソフトウェア製品「NEC Advanced Analytics - インバリアント分析 V2.1」として発売した。今後3年間で100システムの採用を見込む。
同社のインバリアント分析技術は、多数のセンサから収集するデータをもとに、センサ間の不変的な関係性(インバリアント)を抽出する。システムの振る舞いを自動学習しつつ監視を行うことで異常な予兆を検知し、安全かつ効率的なシステムの操業を可能にするという。
インバリアント分析の追加導入イメージ(出典:NEC)
可視化画面(出典:NEC)
同技術は、電力プラントへの導入のほか、製造業、石油化学業のプラント故障予兆などで累計300件以上の検証を実施済み。センサ間の関係性を監視する手法のユニークさや、リアルタイム分析が可能な処理性能(1秒当たり数万センサ)などが高く評価されている。
製品化されたソフトウェアは、プラントや工場などのシステムから収集されたセンサデータからシステムの稼動状態を自動的にモデル化する。リアルタイムに収集されるセンサデータからモデル化した状態を、正常時のモデルと比較・分析することで、異常予兆を早期に検知し、発生個所および影響範囲とともに表示する。
また、センサ間の不変的な関係性や分析結果(異常予兆検知や異常影響範囲)を専用画面で可視化する機能があり、利用者自身で過去データ(時系列数値のCSVファイルなど)を用いた標準的な分析や動作評価ができる。これにより、既設の監視制御システムにAIエンジンを追加導入しやすくなった。
これらに加えてNECは、操作レクチャやインストール支援、問い合せ対応を行うサポートサービス(スターターパック)も併せて提供する。ソフトウェア本体の利用価格は520万円(税別、500センサ当たり。追加は250センサ単位)から。スターターパックは、200万円(税別、3カ月当たり。支援希望内容に応じて見積り)からとなる。