調査

適切なセキュリティ対策を実施する中小企業はわずか--デジタルハーツ調査

NO BUDGET

2018-04-25 10:09

 デジタルハーツは4月23日、中小企業におけるセキュリティリスクの実態調査に関する概要を発表した。適切なセキュリティ対策を実施できている中小企業が極めて少ないという実態が明らかになった。

 その要因として、具体的かつ適切なセキュリティ対策を実行するための知見や人材が不足しているため、導入コストを鑑みた最適なサービスやツールの選定、その後の運用ができないことや、現在市場に提供されているセキュリティソリューションの多くが多額の費用を要するため導入しずらいことなどが挙げられた。

 この調査は業種や従業員数などを勘案せず、無作為に選定した中小企業を対象にしている。経済産業省の「イノベーション経営の実現に関する調査研究」として同社が担当し、調査結果を同省に提供した。調査方法は、IT資産の保有状況やセキュリティ対策の適用状況に関するヒアリングと、エフセキュアの脆弱性診断ツール「F-Secure Radar」を用いた実地調査による。


調査結果のトピック(出典:デジタルハーツ)

 セキュリティ対策製品の導入状況は、エンドポイントセキュリティが最も多く、次いでファイアウォール、メールセキュリティなどが多かった。これに対し、UTM(統合脅威管理)や社内ネットワークへの不正接続対策、多層防御の実施などは、いずれも1割程度にとどまる。

 この結果についてデジタルハーツは、多くの企業において、エンドポイントセキュリティ等部分的な対策は実施されている一方、多層防御の観点における十分な対策がなされておらず、サイバー攻撃への防御策としては脆弱な状態だとした。

 セキュリティの維持や運用・保守状況については、PCやサーバなどへの定期的なパッチ適用が実施されている企業は約4割だが、保有するIT資産の正確な把握状況やセキュリティに関する定期的な見直しの実施状況が「適正」と判断されている企業は1~2割程度と低かった。

 また調査対象の全企業において、IT資産に何らかの脆弱性を検出され、危険度の高いものも多数確認されるなど、潜在的な脆弱性があることが判明した。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

注目している大規模言語モデル(LLM)を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]