Googleは、企業がオンプレミスのデータセンターと「Google Cloud Platform」(GCP)を直接接続したハイブリッドクラウド環境を構築するための柔軟なオプションを提供するサービス、「Google Cloud Partner Interconnect」を発表した。Partner Interconnectの利用者は世界中の23社のパートナーを介してGoogle Cloudとの直接接続を確立できる。
同社が提供する「Dedicated Interconnect」も類似のサービスだが(2017年10月からサービス開始)、こちらは10Gbps(ギガビット/秒)の回線でしか接続できないのに対し、Partner Interconnectでは、50Mbps(メガビット/秒)から10Gbpsまでの帯域を選べるため、中小企業が利用しやすくなっている。
サービスを提供するパートナーは、北米ではAT&T、Cologix、Internet2、Verizon、日本ではKDDI、野村総合研究所(NRI)、NTTコミュニケーションズ、ソフトバンク、アット東京、オーストラリアではMegaport、Macquarie Cloud Servicesとなり、世界的にサービスを提供するパートナーにはBT、Orange Business Services、Tamares Telecom、Telia Carrier、Colt、DE-CIX、Digital Realty、Equinix、IX Reach、CenturyLink、Tata Communications、Zayoがある。
Google Cloudの製品マネージャーJohn Veizades氏は、プレスリリースで、パートナーはGoogle Cloudと接続する認定済みのインフラをすでに準備しているため、Partner Interconnectの接続を確立するのは簡単だと述べている。
今回の発表は、ハイブリッドクラウドに依存している企業に働きかけようとするグーグルの試みの一環だ。これらの新しい接続ソリューションを利用すれば、ハイブリッドクラウド環境を利用している企業が、公衆インターネットを経由せずにGoogle Cloudのサービスを利用でき、ネットワーク上の経路についても、コントロールできる余地が大きくなるという。また、一般的なパブリッククラウドの利用形態と比べ、遅延も大きく減少する。
ただし、これらの接続で送信されるデータはデフォルトでは暗号化されていないため、ユーザーはアプリケーションレベルの暗号化を施す必要がある。公衆インターネットを利用することによるセキュリティに対する懸念が原因でハイブリッドクラウドの採用をためらっている企業にとっては、データフローのコントロールがある程度可能なPartner Interconnectは、懸念を和らげるかもしれない。
Partner Interconnectは現在ベータ版で、プレスリリースによれば数週間以内に一般提供が開始されるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。