――「アイソレーションテクノロジー」の出自を教えてください。
吉川氏:この技術は、Blue Planet-worksという日本の会社が提供しています。元々は、Blue Ridge Networksという米国の会社が、政府機関や軍、研究機関向けの技術としてAppGuardを含めて開発していました。そしてAppGuardに関しては外部に提供にされることになり、Blue Planet-worksがAppGuardの技術や特許、技術者も含めて買収したわけです。
――AppGuard Soloと従来の「Enterprise」との違いは何でしょうか。
吉川氏:「Enterprise」は、AppGuardのポリシーを管理コンソールで一元的に管理し、ネットワーク経由で端末に配布します。一方、Soloはポリシーをスタンドアローンで運用します。端末ごとにセットアップし、その環境で変更も行う形ですから、情報システム担当者がいないような組織でも容易に利用できます。国内でよく使われているソフトウェアもポリシーに入っていますし、GUIは全て日本語化されています。ライセンス面でも1台当たり年間9800円から導入できますので、コストを抑えられるでしょう。
Soloのユーザーは、中小規模の組織や個人事業主などです。また、そうした組織や個人の情報セキュリティに関するリテラシーがよく問題視されますが、私は営業先で「どんなメールも開いていいですよ」と提案しています。もちろん怪しいメールは開かない方が望ましいですが、AppGuardでは被害がないので安心です。一方で、端末に侵入したマルウェアはそのまま残りますから、駆除したいというケースなら、他のアンチウイルスソフトが必要でしょう。
――ありがとうございました。前田さんにもお聞きしますが、まずご経歴を教えてください。
前田氏:大学卒業後に證券会社に入社しましたが、半年で退社しました。その後20年間は、飲食店を経営し、次に運送会社で4年ほど事業本部長を担当しました。2017年6月に当社を設立しました。情報セキュリティどころか、IT業界が初めての経験で、当初は悪戦苦闘しました。お客さまにも鍛えられ、今はセキュリティセミナーにて講師役として呼ばれるまでになりました。
――今後のITガードの取り組みはどのようなものですか。
前田氏:現在の従業員は10人ですが、どんどん増やしていきたいと思います。まず15人を採用する予定で、今後は比例的に増やします。また再販いただくパートナー、仲間も増やします。できれば10社ほど、最低でも5社と契約したいと考えています。
AppGuardは、今後1年間で新規に10万ライセンスの販売を目標にしています。これをクリアし、将来的には新たなソリューションも展開していきますが、まずは導入事例を重ねていきたいですね。