ライバルとITの情報交換をする理由
これらの取り組みを成田氏は、自社のものとしてとどめておくのではなく共有したいと思っている。今回の基調講演もそうだが、実は成田氏は3月、クックパッド、LINE、楽天といった”競合”10社が社内ITの取り組みを共有する会を開催している。その半年前に各社のIT部門トップに連絡を取り、お互いの取り組みを公開しようと持ちかけて実現したという。当日は60社から約180人が、DeNAの本社のある渋谷ヒカリエに集った。
「ライバル関係だが、活動の基盤であるコーポレート領域についてはノウハウを共有したい。それが業界全体の生産性につながる」ーー成田氏は共有会を思いついたきっかけを説明する。この会は年次開催されることになり、次回は2019年3月、リクルート本社を予定している。
ガートナーのイベントのテーマは”破壊に備えよ”。これに呼応するかのように成田氏は、「いかにして生き残るのかーーそれにあたって新しいこと、チャレンジングなことに取り組むことを念頭に置いている」と述べる。「自社単独では生き残れない。あらゆる事業領域に置いて、ビジネスとコーポレートの両方の分野で他の組織との共創の時代が来ている」と述べてスピーチを締めくくった。