しかし、本当に人気があるLinuxについての知る方法がもう1つある。「Google Trends」を使うことだ。これを使えば、Googleの検索データを使って、世の中で何が検索されているかを調べられる。今回は、Linuxディストリビューションの名前を使って調べてみた。
誰かが特定のLinuxディストリビューションについて検索しているとすれば、それはUbuntuである可能性が高い。
作成:Steven J. Vaughan-Nichols
その結果明らかになったのは、世の中で一番調べられているLinuxは、圧倒的に「Ubuntu」だということだ。典型的な週を見てみると、Ubuntuのスコアは91でトップだった。それに「Debian」(スコアは18)、「Red Hat」(スコアは6)、SUSE(スコアは3)、Manjaro(スコアは1)が続いている。ManjaroをLinux Mintと入れ替えてみると、Mintのスコアは7で、3位に入った。この結果は、Manjaroには多くのファンがいるものの、依然として多くの人はMintに関心を持っていることを示している。
2017年の検索データを通して見れば、Ubuntuがほかのディストリビューションを圧倒していることは明らかだ。最も低い箇所でさえ、Ubuntuは79対13のスコアで2位のDebianに大差をつけている。
Google Trendsの分析を米国だけに絞ってみると、Red Hatが2位に上がり、スコアは多くの場合18から12の間だった。しかしこれも、Ubuntuには遠く及ばない。同じ期間のUbuntuのスコアは84で、競合するほかのディストリビューションを大きく上回っている。
筆者はさらに、クラウドでどのLinuxディストリビューションに人気があるかも調べてみた。The Cloud Marketの「AWS EC2」の統計によれば、この分野でもUbuntuが圧倒的だ。
サーバに関しては、適切なデータを見つけるのが難しい。さまざまなデータを調べてみると、米国ではUbuntu、「Red Hat Enterprise Linux」(RHEL)のクローンである「CentOS」、RHELに人気があるようだ。さらに欧州では、「SUSE Linux Enterprise Server」(SLES)も候補に入ってくる。
では、本当に一番人気があるのは?
筆者の考えでは、エンドユーザーに関して言えば首位はAndroidで、Chrome OSがそれに続き、その他のLinuxディストリビューションの上位にDebian、Ubuntu、Mintファミリーが入ってくるという具合だろう。とは言え、ArchとManjaroがLinuxデスクトップの分野で台頭してきていることにも注意が必要だ。サーバとクラウドの分野では首位がUbuntuで、CentOS、RHEL、SLESが(おおよそこの順番で)人気があると言えるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。