Facebook、「Messenger」にARやAIの機能を追加--企業ユーザー拡大を目指す

Stephanie Condon (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 高森郁哉 (ガリレオ) 編集部

2018-05-02 09:56

 Facebookは米国時間5月1日、開発者会議F8で、「Messenger」を企業向けの洗練されたプラットフォームへと転換するための最新の取り組みを発表した。今回は、拡張現実(AR)と人工知能(AI)を同サービスに追加する。

 Facebookが1日にまず発表したのは、同社のハイパーローカルなEコマースポータル「Marketplace」の購入者と販売者が、FacebookのAI搭載デジタルアシスタント「M」の支援を受けて、Messenger上で複数の言語によってコミュニケーションをとれるようにするということだ。Facebookは2017年に、機能が限定されたMをMessengerで提供開始した。


提供:Facebook

 今回、Marketplaceの利用者が、Messengerの自分のデフォルト言語とは異なる言語でメッセージを受信した場合、Mはそのメッセージを翻訳するようになる。まずは米国で、英語とスペイン語の間の翻訳のみに対応する。今後数週間のうちに米国で段階的に提供開始され、その後、他の言語や国に対応する予定だという。

 Facebookはさらに、「Camera Effects Platform」を活用してARをMessengerに組み込む機能をブランド各社に提供することも発表した。Messenger上でユーザーとやり取りする際に、企業はユーザーに対してカメラを起動するように促すことができるようになる。そのカメラは、ブランド固有のフィルタとARエフェクトが事前に設定されたものになるという。


 Facebookは、この機能がクローズドベータとして公開され、ASUS、起亜自動車、Nike、Sephoraといった大手ブランドが利用する予定だと述べた。

 同社はまた、Facebookアプリのカメラ機能に対応するツール「AR Studio」をアップデートして、新機能を追加したことを明らかにした。そのなかには、JavaScriptを記述することなくドラッグアンドドロップ操作で、カスタムのアニメーションやロジックをシーンに追加できるビジュアルプログラミング機能も含まれる。

 Facebookはさらに、Sketchfabと提携し、ライブラリからモデルをダウンロードしてAR Studioのプロジェクトに追加できるできるようにする。ユーザーは近い将来、JavaScriptライブラリAPIを使用してカスタムライブラリをAR Studioに追加できるようになる。


 そのほかにも、新しいトラッキング機能(ボディトラッキング、ハンドトラッキング、高精度のフェイストラッキング)や人物と背景を分離できる機能などが追加された。AR Studioではまた、ロケーションAR機能を利用して、ARエフェクトを実際の場所に関連付け、特定の場所に行った人々に対してあらかじめ作成したAR体験を提供できる。さらに、状況を理解できる機能が搭載されたため、本物のコーヒーカップの上に湯気を表示するなど、状況に応じたAR体験を作成できるようになる。

 AR Studioはまた、同社のフラッグシップアプリであるFacebookアプリ以外にも対応を拡大するので、ユーザーはさらに多くのプラットフォームにコンテンツを配信できるようになる。具体的には、「Instagram」と「Messenger」でクローズドベータとして公開され、近いうちには「Facebook Lite」でも利用できるようになる予定だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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