松岡功の「今週の明言」

レッドハット社長が説く「オープンソースウェイ」 - (page 2)

松岡功

2018-05-02 10:30

「産業界のデジタル変革の火付け役になりたい」
(ダッソー・システムズ 山賀裕二 代表取締役社長)


ダッソー・システムズの山賀裕二 代表取締役社長

 ダッソー・システムズが先頃、今後の事業戦略について記者説明会を開いた。山賀氏の冒頭の発言はその会見で、戦略展開に向けたスローガンを述べたものである。

 親会社であるフランスのDassault Systemsは1981年の創業以来、CADソフトウェア「CATIA」を中心に世界140カ国以上で事業を展開し、21万社を超える顧客および1万2600社を数えるパートナーとのエコシステムを保持している。

 顧客の業種も、航空宇宙・防衛、自動車・輸送機械、天然資源、船舶・海洋、医療機器・医薬品、産業機械、ハイテク、金融・ビジネスサービス、エネルギー・プロセス、パッケージ製品・小売、消費財、建設・建築といった12分野にわたっており、それぞれの業種に特化したソリューションを提供している。

 同社が今、注力しているのは「3Dエクスペリエンス」の展開だ。長らく3Dの分野において設計からデジタルモックアップ、製品ライフサイクル管理(PLM)へと領域を広げてきたが、最近では3Dエクスペリエンスの提供をテーマとしているという。

 同社の3Dエクスペリエンス製品群は、デザイナーだけでなく一般消費者まで含めて、あらゆる人々が仮想空間の中で臨場感溢れる3Dの体験を創造・共有できる環境を提供しようというものだ。具体的には「ソーシャル&コラボレーティブ」「インフォメーション・インテリジェンス」「コンテンツ&シミュレーション」「3Dモデリング」といった4つの領域のアプリケーションとそれらの基盤ソフトウェアからなる「3Dエクスペリエンス・プラットフォーム」を提供している。

 山賀氏は2018年の国内事業戦略として、図に示したように「3Dエクスペリエンス・プラットフォームの導入促進」「多角化のさらなる推進」「新しいビジネスモデルの導入」の3点に注力していく姿勢を明らかにした。


図:ダッソー・システムズにおける2018年の国内事業戦略

 同氏は日本IBMに24年間在籍後、日本マイクロソフトで執行役常務、セールスフォース・ドットコムで専務執行役員などを務め、2017年11月にダッソー・システムズ社長に就任した豊富な経歴を持つ。CADから3Dを活用したユーザーエクスペリエンスビジネスに大きく舵を切りつつある同社を、本当に「産業界のデジタル変革の火付け役」にすることができるか。その経営手腕に注目しておきたい。

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