ガートナー ジャパンが先頃発表したテクノロジ人材に関する最新の調査結果によると、企業が改善したいテクノロジ人材のスキルのトップは「リーダーシップ」であることが明らかになった。
IT組織において改善したい人材のスキル、出典:ガートナー/調査:2018年2月 (n=515、日本)
今回の調査は、国内の、特にITインフラストラクチャに関わるマネジャー向けのアンケートを通して、さまざまなITのニーズや課題を分析することを目的に実施したもの。全国の従業員数500人以上の企業を対象にし、有効回答数は515件。
ガートナーでは、リーダーシップを取る人材が不足している企業は、「決められない」「推進できない」「調整が行われない」「方向が定まらない」「将来が描けない」といった課題を抱えている可能性があるとしている。そして、強いリーダーシップを持つ人材やテクノロジエンジニアには、ハイスキル・ハイリターンの原則を適用するなど、人事制度上の見直しも必要になるとした。
また、人材育成上の懸念や困っていることについても尋ねたところ、「技術変化に対応できるトレーニングが整備されていない」がトップだった。
人材育成上の懸念や困っていること、出典:ガートナー/調査:2018年2月 (n=515、日本)
これに対してガートナーでは、ユーザー企業において、クラウドや人工知能(AI)といった領域に関わるスタッフを一人前の人材に育てるには、3年程度はかかるといったことを例に挙げ、企業は「人・時間・予算」の余剰を確保し、それらを次のビジネスにつながる人材投資に回す取り組みを加速させていく必要があるとした。また、個々人の役割やゴール、彼らに求める期待値とともに、KPI(主要パフォーマンス指標)を明確な形で導入するといった施策も必要だと指摘している。