海外コメンタリー

BoxのレヴィCEOが今、考えていること(後編)--デジタル変革のあり方 - (page 2)

Michael Krigsman (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2018-05-25 06:30

 少なくともかつて1度はGoogleを特徴付けていたものとして以下が挙げられます。

  • 20%ルール:一般的な製品ロードマップからは生み出されることがほとんどないようなイノベーションの実現に向けて、従業員が本来の仕事を離れて時間を投資できるようにする。
  • 高い自律性:優れたアイデアがあれば、誰かのところに出向いてそれを提案できる。
  • 高次の情報共有:有名な話だが、Googleでは業務がどのように実行されているかや、どのようにすれば改善できるのかなどに関する情報が社内で公にされている。また、同社では創業者らとの質疑応答セッションが毎週実施されている。

 これらが、GoogleをGoogleたらしめたものです。バレーボールはそれらの上の表面的なものに分類されます。この点は見過ごされがちだと考えています。スニーカーやジーンズで出社したり、オープンな職場環境にしたいというのは、カジュアルな環境では人々の警戒心が低下する結果、よりクリエイティブになり、アイデアの共有もよりうまくいくようになるためです。イノベーションを生み出しているのがジーンズというわけではありません。

 これらの要素すべてが密接に結びつくシステムについて考える必要があります。誰もがよりカジュアルになっているから本当にクールになってきていると考えるCEOもいます。しかし、それはさほど興味深いというわけではありません。というのも、システム自体がそうしたカジュアルさを活用し、よりクリエイティブになるようになっていなければ、このような教訓から学んで何かを達成したことにはならないためです。

 われわれがなすべきは、自らの業務において何を変えようとしているのかを熟考することだと私は考えています。なぜ変えようとしているのでしょうか?それを考えた後、達成しようとしている変革を推し進めていくうえで根本となるシステムレベルのものごとが何かという点に目を向けます。それはひょっとしたら顧客との距離を縮めていくということかもしれません。あるいは組織が新たなタイプの人材を得られるようにすることかもしれません。または、ブレークスルーのペースが遅くなってきていると感じられるため、従業員の創造性をより高めたいということかもしれません。

 組織にもよりますが、そうしたことが課題とならず、こういった次元の変革を一切必要としないところもあるかもしれません。彼らはより優れた後方支援を必要としているのです。私は次のことを理解するのが重要だと考えています。それはつまり、イノベーションがどこにあり、イノベーションの文化がビジネスモデルとどのように関連しあうか、作業環境をどのように設計するかということです。あなたが推進しようとしている業務の目標が何であれ、それを促進するための作業方法をどのようにして設計するのでしょうか?

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