旗印はテクノロジカンパニー--パートナーとの共創を進めるアバイアのこれから - (page 2)

鈴木恭子

2018-05-08 11:00

 基調講演でChirico氏が何度も繰り返したのが、「co-creation(共創)」の重要性だ。パートナーやサプライヤー、同社の顧客企業といったサプライチェーン全体を構成している企業同士が協力し、その先の顧客(カスタマー)のニーズを先読みしてソリューションを提供していく姿勢が求められていると説く。

 今回Chirico氏は「Avayaは技術カンパニーである」ことを全面に押し出した。人工知能(AI)やブロックチェーンなどの技術を同社のプラットフォームに実装し、IoTやRPA、分析の自動化といった分野で顧客の環境に最適なアプリケーションを提供していく戦略だ。

AIや自動化、クラウド、ブロックチェーンによる安全なデータ流通システムの確保など、コミュニケーション分野での技術開発に積極的に投資していく
AIや自動化、クラウド、ブロックチェーンによる安全なデータ流通システムの確保など、コミュニケーション分野での技術開発に積極的に投資していく

 その具体的な取り組みの1つが、AIベンダーとの提携である。Avayaは同コンファレンス中、AIベースの行動ペアリング技術を開発する米Afinitiとの提携を発表した。同社の「Afiniti Enterprise Behavioral Pairing」は、対人行動のパターンを発見、予測し、顧客とエージェントのペアリングを最適化する。

AI分野でのパートナーベンダー。「顧客ニーズに応じて最適技術を有するベンダーの技術を取り入れソリューションを提供していく」(Chirico氏)姿勢だ
AI分野でのパートナーベンダー。「顧客ニーズに応じて最適技術を有するベンダーの技術を取り入れソリューションを提供していく」(Chirico氏)姿勢だ

 同技術を用いれば、例えば、再コールしてきた顧客に対し、的確に対応できるオペレーター候補をシステムが自動でリストアップする。スキルの異なるオペレーターを顧客と正しくマッチングさせることで、コンタクトセンターのパフォーマンス向上とオペレーターのストレス軽減になるというわけだ。

 こうした提携についてChirico氏は、「われわれの独自開発技術だけでなく、顧客が求めるソリューションに適切な(第三者の)技術を有する企業とは積極的に“共創”していく」と強調した。

Avaya インターナショナルプレジデント Nidal Abou-Ltaif氏
Avaya インターナショナルプレジデント Nidal Abou-Ltaif氏

クラウド型コンタクトセンターをAPACで展開

 また、基調講演ではAPAC地域のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)への取り組み強化も紹介された。具体的には、クラウドベースのサービス型コンタクトセンター(Contact Center-as-a-Service:CCaaS)をAPAC地域で段階的に提供していくという。最初は2018年7月にインドとフィリピンで製品を提供し、2018年12月末までに日本を含む他地域に展開していく予定だ。

 説明に登壇したAvayaでインターナショナルプレジデントを務めるNidal Abou-Ltaif氏は、「クラウド型のコンタクトセンタープラットフォームは、顧客の運用ニーズの変化に応じて迅速に拡張できる。初期導入投資費用の削減と導入や運用までの時間短縮といったメリットは、需要が急伸しているAPAC地域の市場で強い差別化ポイントになる」と語る。

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