シックス・アパートは5月16日、コンテンツ管理システム(CMS)の新版「Movable Type 7」をリリースした。5年ぶりとなる今回の大型アップデートでは、「コンテンツタイプ」と呼ばれる新しいデータ形式への対応が目玉となっている。
Movable Type 7では、コンテンツを要素ごとにコンポーネント化し、構造化されたデータとして管理できるようになった。テキストや数値、日付といったデータを入力するフィールドを組み合わせて、さまざまなコンテンツの形式に合わせた柔軟な情報設計が可能となっている。
従来の「カスタムフィールド」では、ウェブサイトの構造や階層が複雑化することで、情報の更新や管理に多くの手間が掛かってしまいがちだった。また、カスタムフォールドが増え過ぎると、ウェブサイトの読み込み時間が長くなるといった影響もあったという。
コンテンツタイプは、コンテンツの再利用や情報の更新を容易にする。PCサイトやモバイルサイト、アプリ、デジタルサイネージ、印刷物など、さまざまな配信形式への加工も可能だ。
Movable Type 6から搭載している「Data API」もコンテンツタイプに対応している。Data APIは、REST/JSON方式でデータの取得や更新ができるAPI。Movable Typeをアプリのバックエンドとして使用したり、ウェブサイトのコンテンツを直接操作することもできる。独自の管理アプリを開発したり、他のプラットフォームとの連携も可能となっている。
Movable Type 7が実現する、コンテンツ・ハブ・プラットフォーム(出典:シックス・アパート)
Movable Type 7には「Data API 4.0」が実装され、コンテンツタイプのデータをAPI経由で操作できるようになった。これを利用して、アプリなどからコンテンツタイプのデータを呼び出すといった使い方ができる。
また従来のエディタに加えて、新たに「ブロックエディタ」を搭載した。これは、ブロック要素単位で編集可能なエディタで、デザイン要素がコンテンツに含まれないようにすることで、データ入力のしやすさを向上する。
「ウェブCMSの限界を超える、エンタープライズ級の機能を備えた本格的なCMSとして打ち出していきたい」(シックス・アパート 取締役 CTO 平田大治氏)
Movable Typeは、ソフトウェア版とクラウド版のほか、AMI(Amazon Machine Images)版も提供する。税別価格はソフトウェア版が9万円。クラウド版が月額5000円から。上位版であるAdvanced版は2018年10月の提供開始を予定している。
なお、各社主要プラグインの対応については、こちらのページでスケジュールが示されている。
コンテンツタイプにデータを入力する画面(出典:シックス・アパート)