決裁文書の改ざん問題、改めて問いたい文書管理の在り方 - (page 3)

小山健治

2018-05-09 07:00

これからの文書管理はRPAと一体化していく時代に

 上記のような文書管理の導入および拡張を考えたとき、マルチベンダーの製品を組み合わせるよりも、やはり最初の段階から基盤型のソリューションを導入しておき、同一ベンダーのモジュールを拡充していくのが得策となりそうだ。

 「基盤型のシステムであれば、機能追加を段階的かつ柔軟に行うことができる。ワークフローを軸にBPM(業務プロセス管理)を強化し、既存業務の非効率を解消してコストを削減。それによって生み出された原資をセキュリティ対策やポータルなどのモジュール追加への投資に回していくのが現実的なアプローチとなる」と堀氏は語る。

 そして、その先に視野に入ってくるのがRPA(ロボティックプロセスオートメーション)を活用した文書管理の自動化だ。文書管理のライフサイクルの中では、文書登録や属性情報の入力、保存期間を過ぎた文書の廃棄など手作業に頼っている業務が想像以上に多い。こうしたルーチンワークを人間からソフトウェアロボットに移管するのである。

 「これからの文書管理は、RPAと一体化していく時代となる。文書管理のプロセスに人間が介在する隙をできる限り減らしていくことで、ケアレスミスや不正行為をなくし、ひいては文書の改ざんや漏えいを防ぐことができる。実際にお客さまのニーズも急速に高まっている」と堀氏は、今後を見据えた文書管理の動向を示す。

 今や多くの日本企業はグローバル市場での競争を余儀なくされており、増え続ける情報の戦略的な活用、国や地域ごとに異なる法規制や商習慣への対応、多様性を持った人材の能力を最大限に生かすための働き方改革など課題は山積みだ。そうした中で急務となる業務変革の“原点”として文書管理を捉え、その在るべき姿を描いていく必要がある。

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