4. 素晴らしい顧客関係を支援する
UPSのCIOを務めるJuan Perez氏も、ITリーダーとその熟練したチームがデジタルシステムおよびサービスを通して、新しいビジネス機会創出に果たす重要な役割を認識している。だが、その一方で、特に長期間持続するシステムに関しては、技術革新を要求する声が効果的な運用の必要性より優先されてはいけない、とも話す。
「われわれは依然としてレガシーITの保守を行う必要がある。単純に既存のキットを撤去して、高度なテクノロジに乗り換えることはできない。変革に伴う過渡期には、予算とビジネスの期待の両方のバランスを効果的にとることが必要になる」（Perez氏）
Perez氏によると、成功の鍵は、作業に優先順位を付ける仕組みだという。同氏は、「人々は作業の効率性と有効性を高めてくれるテクノロジを獲得する必要がある」と述べた後、現代のCIOがIT投資からの価値を企業の人々に提供することの重要性に改めて言及した。
「それは単なるコスト削減ではない。素晴らしい価値の本質は、企業がサービスを向上させ、顧客とのつながりを強められるように支援するテクノロジを実装することだ」（同氏）
5. 未来の最高経営責任者（CEO）
KPMGのCIOアドバイザリプラクティス担当グローバルヘッドのLisa Heneghan氏は、ITリーダーたちの野望の潜在的な大きさに限界はないはずだ、と考えている。「テクノロジがますます重要になる中で、CIOがCEOの役割を果たすようになり始めている」（Heneghan氏）
「今では、CEOが管理することの非常に多くにテクノロジが関係している。したがって、CIOは、自分が今できると分かっていることに自分自身を閉じ込めるのではなく、これまでよりはるかに広い範囲の機会を見据える必要がある、と私は考えている」（同氏）
Heneghan氏によると、ITに精通した専門家が取締役に加わることを望む組織は既に増えているという。「企業がテクノロジの使用に伴うリスクや機会を理解できるように支援するために、管理職以外の役割を果たすCIOが増加している」（同氏）
既存のITリーダーには現在、自分の知識を使って事業の成長を助ける機会があるが、次世代のCIOには、より広範で全社的な役割を引き受ける機会がある。「現在、組織は複雑な課題に直面している。テクノロジが事業のあらゆる要素に影響を及ぼしているからだ」（Heneghan氏）
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
