米連邦捜査局(FBI)がインターネット関連の犯罪に関して、最も苦情の多いものと最も被害額の大きいものをまとめた報告書を発表した。
この報告書は、2017年に犯罪的なインターネット活動の疑いがあるとしてFBIの米インターネット犯罪苦情センター(Internet Crime Complaint Center:IC3)に届け出のあった30万1580件の苦情をもとにまとめられた。2017年、届け出のあったインターネット犯罪による被害額は計14億1000万ドル(約1550億円)で、2016年の14億5000万ドル(約1590億円)からわずかに減少した。
最も苦情の多いインターネット犯罪は、被害者が商品やサービスを提供したにもかかわらず料金が支払われない、または被害者が料金を支払ったにもかかわらず商品やサービスを受け取れない詐欺だ。
2位は個人データの流出、3位はフィッシング目的の電子メールやテキストメッセージ、電話だった。
最も被害額の大きいインターネット犯罪は、電子メールアカウントの侵害だ。外国のサプライヤーと取引のある企業や、電信送金決済を頻繁に行う企業を主に狙うもの。
FBIによると、これらの詐欺はこの数年、進化し続けてきたという。典型的なケースでは、犯罪者が企業の最高経営責任者(CEO)や最高財務責任者(CFO)の電子メールアカウントをハック、またはそれになりすました後、偽の電子メールを職員に送信して、犯罪者が管理するアカウントに電信送金を行うよう依頼する。2017年には不動産業界が特に狙われ、多くの被害者が不動産取引中の被害を報告した。
しかし、犯罪者らの狙いは金銭だけではない。近年、犯罪者らは偽の電子メールを使って、個人識別情報や給料と納税の証明書の要求もしている。
FBIによると、こうした電子メール詐欺による被害額は6億7600万ドル(約740億円)。2位は信用/恋愛詐欺の2億1100万ドル(約230億円)、3位は未払い/未達詐欺の1億4100万ドル(約150億円)だった。
意外なことに、被害額に関して言えば、ランサムウェアや技術サポート詐欺など、ほかのインターネット上の脅威は上位に入らなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。