経済産業省が2016年6月に発表したIT人材に関する調査によると、国内ではIT人材の供給が2019年をピークに減少へと転じ、2020年には約37万人が不足すると予想されている。特にサイバーセキュリティ人材やデジタル変革をリードする「先端IT人材」への需要は非常に高く、両分野に人材不足は深刻になるという見方だ。
国内IT人材の大半は、ITベンダーやSIerなどITのユーザーにその技術力などのスキルやソリューションを提供する側に所属するといわれる。一方、米国などではITのユーザー側に所属しており、その違いはIT人材の活躍モデルにおける対比として、しばし取り上げられることが少なくない。
国内のIT人材市場は、長年にわたって欧米とは対極的な構造であったが、近年は上述のサイバーセキュリティ人材やデジタル変革を例に、ユーザー側におけるIT化の必要性は大いに高まり、今後は欧米のようにユーザー側に人材の多くが移っていく状況が予想される。
IT人材の不足は、単に人数を充足すれば良いというものではなく、大きな市場構造の変化に対応して広範なスキルの獲得やキャリアチェンジの必要性も伴う非常に複雑な課題といえる。社会におけるITの重要性はますます高まるだけに、企業およびIT人材の個人がこれから生き抜く上で参考になる記事をまとめた。

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