Synopsysは米国時間5月15日、「2018 Open Source Security and Risk Analysis Report」(2018年オープンソースセキュリティおよびリスク分析報告書)を発表した。同報告書によると、企業でのオープンソース導入が拡大しているが、セキュリティ管理は必ずしもそのペースについて行けていないという。
最近では、Equifaxが2017年、サイバー攻撃を受けて1億4300万件の記録が流出した原因として、オープンソースの「Apache Struts」を使用していたことが記憶に新しい。
同社の研究者らが1年前に、企業でよく使われる1000件のアプリケーションの調査をした際には、96%がオープンソースソフトウェアを利用しており、60%以上にこれらのコンポーネントに起因するセキュリティ脆弱性が含まれていることが分かった。発見されたバグの中には、4年以上前のものもあった。
そうした状況はほとんど変わっていないようだ。Synopsysの最新の調査結果は、Apache Strutsを利用するコードベースの3分の1がEquifaxの記録流出を引き起こしたと考えられる脆弱性にまだパッチを当てていないことを示唆している。
サイバーセキュリティ、自動車、ヘルスケア、製造、モバイルアプリケーションなどの業界の企業が使用する計1100件の商業データベースを検査したところ、1つのコードベースあたりのオープンソースコンポーネントの平均件数は257件で、12カ月前から75%増加した。
しかし、調査されたコードベースの78%には、オープンソースコンポーネントに起因するセキュリティ脆弱性が少なくとも1件含まれていた。平均すると、1つのコードベースあたり64件の脆弱性が発見された。コードベースで発見されたセキュリティ脆弱性の多くは、6年も前に一般に開示されたものだった。
研究者らによると、発見された脆弱性の54%以上は深刻な問題であり、17%は「Heartbleed」「Logjam」「Freak」「Drown」「Poodle」といったよく知られているバグを含んでいた。
合計すると、調査されたコードベースの8%がApache Strutsを利用していた。そして、これらのコードベースの33%には、Equifaxのデータ流出を引き起こしたと思われる脆弱性(「CVE-2017-5638」)が含まれていた。
皮肉なことだが、深刻な脆弱性が最も多く発見されたのは、IT&ソフトウェアインフラストラクチャ業界(67%)とサイバーセキュリティ業界(41%)で使われているコードベースだった。

深刻な脆弱性が最も多く発見されたのは、IT&ソフトウェアインフラストラクチャ業界(67%)とサイバーセキュリティ業界(41%)で使われているコードベースだった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。