RedLockによると、アクセス鍵のローテーションを過去90日以内に実施しなかった組織は43%、クラウドストレージサービスを少なくとも1つ公開状態にしている組織は平均すると51%にのぼっているという。
厳格なパッチプロセスを適用していない企業は、自らを攻撃の標的としてさらすことにもなる。RedLockのリサーチャーらは、パブリッククラウド環境において、極めて深刻な脆弱性に対するパッチが適用されていないホストを運用している組織は24%もあるとしている。
また、RedLockの研究者らは、パブリッククラウドインスタンスのメタデータAPIを悪用する、エンタープライズパブリッククラウド環境に対する新たな攻撃ベクタを発見した。
これらのAPIはクラウドインスタンスの管理や設定に用いられるものだが、同APIに対してクエリを発行することで、インスタンスのメタデータを取得するという攻撃シナリオが考えられる。こういったAPIがセキュアになっていない場合、サイバー攻撃者はこの手法によって、パブリッククラウド環境にアクセスするための認証情報を得ることができる。
RedLockの最高技術責任者(CTO)Gaurav Kumar氏は「適切なセキュリティ対策を欠いたITインフラに関する報告書がうんざりするほど限りなく生み出される理由をわれわれは理解している。そして、企業が脆弱性を最小限に抑えるための取り組みを強化する兆しは見えているものの、まだまだやるべきことがあるのは確かだ」と述べ、「このレポートが、生まれつつある危険に光を当てるだけでなく、攻撃を避ける最善の方法について具体的なアドバイスを提供している理由がここにある」と続けた。
Kumar氏は「クラウドコンピューティング環境によって驚異的な柔軟性と素晴らしい規模の経済性がもたらされるものの、このようなメリットはトップレベルのセキュリティがなければ台無しになってしまう」と述べ、「これは絶え間なく続く、そして共同で負うべき責任だ」と付け加えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。