調査

アジア太平洋地域の企業、27%がセキュリティ侵害の被害を把握しておらず

Eileen Yu (CNET News) 翻訳校正: 編集部

2018-05-21 12:23

 アジア太平洋地域(APAC)の企業の4社に1社はサイバーセキュリティインシデントを経験したことがあり、27%はデータ侵害評価を全く行わないため、自社がサイバーセキュリティインシデントを経験したことがあるかどうか把握できていないという。

 Frost & Sullivanの調査によると、APACの企業がサイバー攻撃の被害に遭った場合、大企業(従業員数500人以上)は約3000万ドル(約33億円)の経済的損失を被る可能性があるという。Microsoftの委託を受けて行われたこの調査では、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、インド、日本、中国など、APACの13の市場で1300人を対象に実施された。

 一方、中規模企業(従業員数250人~499人)は平均9万6000ドル(約1000万円)の経済的損失を被る可能性があるという。APACの全ての企業に目を向けると、2017年、サイバーセキュリティインシデントによる経済的損失は計1兆7500億ドル(約194兆円)近くにのぼったと推計されている。

 Frost & Sullivanのバイスプレジデントでアジア太平洋地域のエンタープライズ担当統括者であるEdison Yu氏によると、APACの企業は依然としてセキュリティを補足的な要素とみなしており、サイバー攻撃を受けた経験があるにもかかわらず、デジタル変革プロジェクトを開始する前にサイバーセキュリティについて検討すると述べた組織はわずか25%だったという。

 攻撃を経験したことのない約34%が同じことを行うと述べた。残りの組織は、デジタル変革プロジェクトを開始した後でサイバーセキュリティの役割を評価するか、セキュリティを全く検討しないという。

 Yu氏は、「セキュアバイデザイン」のアプローチを導入することの重要性を強調し、プロジェクトの開始時にセキュリティへの考慮がないことで、安全ではない製品を市場にもたらす恐れがあると述べた。アジア太平洋の企業でサイバーセキュリティ戦略をデジタル変革の成功要因だとみている組織はわずか20%であり、41%がそうした枠組みは単にサイバー攻撃から組織を保護する手段であるとみているという。

 また、アジア太平洋地域では、過去12カ月間でサイバーセキュリティインシデントを経験した組織の67%が、サイバー攻撃が原因で雇用を喪失したことが明らかになった。

 Microsoftのアジア地域のエンタープライズサイバーセキュリティグループを統括するEric Lam氏は、「企業は、クラウドとモバイルコンピューティングがもたらす、顧客とのつながりや業務を最適化する機会を活用する中で、新たなリスクに直面している」と述べた。

セキュリティ

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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