今日のポイント
- 日経平均は数年以内に3万円に到達すると予想
- 目先のイベントで要注意は6月12~13日のFOMC
- もう一つの要注意イベントは6月12日に予定されている米朝首脳会談
- 日経平均は26年ぶりの高値に到達、26年前より格段に投資魅力が高いと考える
これら4点について、楽天証券経済研究所長兼チーフストラテジストの窪田真之氏の見解を紹介する。
(1)日経平均は数年以内に3万円に到達すると予想
今回は、日経平均の長期的な見通しについて書く。株式市場には、短期的にリスク材料がたくさんあり、日経平均はこれからも急落・急騰を繰り返すと考えられる。ただし、乱高下しつつも、長期的には上昇トレンドが続き、日経平均は数年以内に3万円に達すると予想している。
月々1万円でも、日経平均インデックスファンドへの積み立てを続けていくことが、長期的な資産形成に寄与すると考えている。
(2)目先のイベントで要注意は6月12~13日のFOMC
6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、米国の中央銀行である米連邦準備制度理事会(FRB)が3月に続いて、今年2回目の利上げを決定すると考えられる。米利上げは両刃の剣である。
米利上げで日米金利差がさらに開く思惑から、1ドル111円前後まで円安(ドル高)が進んできた。これは日本株に追い風である。
ただし、「利上げペースが加速する」という思惑が出ると、米国株が売られ、世界的に株が調整するリスクが出る。利上げにからんで株・為替がどう動くか注意が必要だ。
(3)もう一つの要注意イベントは6月12日に予定されている米朝首脳会談
もう一つ、6月12日に重大イベントが予定されている。米朝首脳会談である。ただし、金正恩朝鮮労働党委員長が、米朝首脳会談を実施しない可能性に言及しており、本当に実施されるか予断を許さない。米朝首脳会談がキャンセルされると、東アジアの地政学リスクが再び高まるリスクもある。
会談が実施された場合でも、具体的な合意が何もないまま終わる可能性もある。朝鮮半島情勢に今しばらく注意が必要だ。
(4)日経平均は26年ぶりの高値に到達、26年前より格段に投資魅力が高いと考える
日経平均は今年1月、26年2カ月ぶりに、2万4000円をつけた(その後、反落し、5月22日は2万2960円)。
26年前と日経平均の水準は同じでも、日本株の投資魅力は全く異なる。今の方が投資魅力が格段に高いといえる。バブル崩壊で日経平均が下がり続ける中、日本企業が実施してきた構造改革の成果が出ているためである。
日経平均月足:1989年12月末~2018年5月(22日)

出所:楽天証券経済研究所が作成
日本株の投資魅力は、次ページの6点において26年前よりも格段に高くなっていると考えている。