サイバーセキュリティに手を抜いてしまうユーザーは多い。ID管理サービスを提供するOktaは、認証の際のエンドユーザーの手間を減らす、一連の新たなセキュリティ機能を発表した。
今回発表された新しいツールには、コンテキストに応じてアクセスを管理する機能が含まれている。
コンテキストに応じたアクセス管理を利用すると、事実上パスワードが必要なくなる。このツールを使用した場合、Oktaのツールが複数の情報を利用して、アクセス要求が正当なものであるかどうかを評価する。利用される情報の例には、ユーザーがログインに使用しているのが、あらかじめ認識されたデバイスかどうかや、過去にも利用されている場所からのアクセスかどうかなどが含まれる。
ログイン要求が正当なものであると判断されると、ユーザーにプロンプトが表示され、それをクリックするだけでアクセスが許可される。ログイン要求を許可するリスクが高いと判断されると、ユーザーに対して、「秘密の質問」や「Okta Verify」などの別の検証手順が要求される場合もある。
Oktaのセキュリティ製品マーケティング管理担当ディレクターJoe Diamond氏によれば、最近の認証ツールは「セキュリティイベントの開始に顧客の物理的な行動が必要な、能動的な要素の使用を抑制する方向に向かっている」という。
セキュリティの確保をエンドユーザーに依存するのをやめるべき理由は多い。Verizonが発表した2017年の情報漏えいに関する調査レポートによれば、ハッキングによる情報漏えいの81%は、盗まれたパスワードや弱いパスワードが原因だという。Diamond氏は、望ましい選択肢は、受動的な要素を使ってバックグラウンドでチェックを行うことだと述べている。同氏は米ZDNetに対して、目指すビジョンは「エンドユーザーの摩擦をできるだけ小さくすること」だと述べた。
この方向に向かっている企業はOktaだけではない。例えば、Googleの企業向けセキュリティサービスである「BeyondCorp」でも、コンテキストに応じたアクセス管理を使用している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。