Gartnerが発表したIaaS分野の「マジック・クアドラント」で、「Google Cloud Platform」が「リーダー」に分類された。
2018年版のIaaSのマジック・クアドラントでは、評価対象のベンダーの数が大きく減らされ、Amazon Web Services(AWS)、Microsoft、Google、Alibaba Cloud、Oracle、IBMの6社になっている。
横軸にビジョンの完全性、縦軸に実行能力を示す
2017年版には、NTTコミュニケーションズやRackspace、Virtustreamなどを始めとするほかのベンダーも数多く含まれており、Google Cloud Platformはリーダーの少し下に位置づけられていた。Gartnerは今年の調査で、多くのベンダーを評価対象から外したことになる。同社はその理由について、次のように述べている。
今年はより厳しい選択基準を採用し、その結果、現在ハイパースケールのIaaSとPaaSの統合サービスを提供しているか、現在そのようなサービスを開発中のグローバルベンダーだけが対象となった。この変更は、現在の顧客の評価は主に、幅広いユースケースに横断的に適用可能な戦略的な導入に耐えうるベンダーに重点を置いているという、Gartnerの考えを反映したものだ。
今回のレポートでは、上位2社(AWSとMicrosoft)は前回と変わっていないが、Google Cloud PlatformはIaaS分野のビッグスリーに数えられるという、企業の最高情報責任者(CIO)らの中から出ている意見を認めた形になっている。企業のCIOらの中にはこれまでも、Googleはクラウドとして有力な選択肢であり、人工知能と機械学習の面で差別化可能だという意見があった。
Gartnerはレポートで、Googleの顧客は「BigQuery」を利用したアプリケーションに期待しており、アナリティクスと機械学習がセールスポイントだったと述べている。Googleの大きな弱点は、大幅な割引メニューが1年契約からしか利用できないことだった。このため、調達側は価格の上昇に注意する必要がある。ほかの懸念事項としては、パートナー企業や独立ソフトウェアベンダーエコシステムの成熟度が低いことが挙げられている。
GartnerのランキングにおけるGoogleの評価は上昇したが、AWSやMicrosoftに対する評価が特に下がったわけではない。レポートでは、AWSは最も成熟したエンタープライズ向けプロバイダだが、実装に専門性が必要であり、新たなサービスについていくのが難しいと評価されている。
またMicrosoftに関しては、「Azure」が既存のエコシステムと統合しやすい点や、Linuxやその他のオープンソースツールに対する開放性が高まっている点が評価されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。