ドリーム・アーツは5月31日、企業が持つさまざまなデータをAPI経由で外部サービスとつなぎ、データ分析などを絡めた新たな機能を提供するクラウドデータベース「hibiki」の提供を、同日から「クローズドβ版」として開始すると発表した。
スケジュール管理、請求書発行、人工知能(AI)分析、名刺管理、カレンダーなどさまざまな機能をAPIでつなぎあわせることで、従来はできなかったような機能の構築を目指す。例えば、人工知能(AI)とビッグデータを組み合わせることで、顧客管理アプリケーションが「クレームにつながりそうな案件」などを予測できるようになる。
ドリーム・アーツの取締役 執行役員を務める最高技術責任者(CTO)の石田健亮氏
ドリーム・アーツの取締役 執行役員を務める最高技術責任者(CTO)の石田健亮氏は「企業が持つ大量のデータを生かし、手に届くところに持ってくるためのアプリケーションを開発できる」と狙いを話す。
散在するアプリケーション間をAPIでつなぎ合わせ、新たな価値を創出することを目指すAPIエコノミーの普及を念頭におき、「オープンイノベーションを推進するものにしたい」と述べた。
hibikiは、サービス基盤として「Microsoft Azure」を採用。さらに、ドキュメント型データベースである「Azure CosmosDB」を組み込んでいる。「リレーショナルデータベースと異なり、ドキュメント型データベースなら(非構造化データを含めて)何でも入れられるのが利点」と石田氏は指摘。爆発的に増加するデータを取り込み、新たな価値を生み出すための基盤的な技術になっている。
ゲストとして登壇した日本マイクロソフトの執行役員最高技術責任者の榊原彰氏は「デジタル変革が話題になっているが、データを生かせている企業はあまりない、という話を(ドリーム・アーツ社長の)山本(孝昭)さんとした」と切り出した。hibikiをマイクロソフト系パートナーも販売できる。
hibikiの料金は、クローズドβ版を申し込ん企業は、ユーザー当たり月額780円の「ベーシックプラン」を1カ月無償で利用できる。
日本マイクロソフトの執行役員最高技術責任者の榊原彰氏(左)とドリーム・アーツの山本孝昭社長