荏原製作所は、RPAシステム「IBM Robotic Process Automation with Automation Anywhere(IBM RPA)」と、データキャプチャソフト「IBM Datacap」を組み合わせ、紙で保管している設計図面の電子化とデータの抽出作業を自動化した。日本IBMが5月31日に発表した。
IBM RPAは、RPAツール「Automation Anywhere Enterprise」と、業務プロセス管理(BPM)製品「IBM Business Process Manager(IBM BPM)」を統合して提供するシステム。人が行う反復的な定型業務をソフトウェアロボットの「ボット」に行わせることで業務の自動化と効率化を実現する。さらに、BPMを使用して人とロボットの両方の作業を可視化し統合管理することで、企業の業務全体の効率化と人員配置の最適化を促進する。
Datacapは、画像処理、自然言語処理、機械学習のテクノロジを併用することで、文書の分類と内容の把握を自動的に可能にし、あらゆる種類の文書のフォーマットと構造、ワード情報、数値情報の分析を行う。膨大な書類の処理、手作業による分類とデータ入力、目視検証、保管の手間など、企業の書類業務にある課題を解決する。
これらを組み合わせたシステムでは、画像検索ライブラリと図番テンプレート画像を利用して、設計図面画像の中から図番に相当する画像を抽出し、図番画像から図番文字列を読み取る。
荏原製作所では、日常的に紙の図面で進めていたワークフロー作業を、IBM RPAに同梱されるIBM BPMを活用して業務プロセス全体の電子化と効率化を進める。このほか自動化対象範囲を広げていく予定で、将来的にはコグニティブ技術を組み合わせて、電子化された図面データの類似検索できるようにする。