時代が変わり、皆が成長した。これは、MicrosoftによるGitHub買収について、The Linux Foundationが語った言葉だ。
オープンソース支持者のなかには、コードのリポジトリとして世界一の人気を誇るGitHubをMicrosoftが買収したことについて快く思っていない人々もいる。しかし、この買収はオープンソースにとってメリットになるというのがThe Linux Foundationの考えだ。
The Linux FoundationのエグゼクティブディレクターであるJim Zemlin氏は同組織のブログに、「これはオープンソース界にとって大いなる朗報であり、われわれはMicrosoftの賢明な一歩を祝福すべきだ」と記している。
Zemlin氏は、Linuxやオープンソースコミュニティーに矛先を向けるMicrosoftに対して長年にわたって攻撃的な言葉を投げかけてきた人物だ。同氏は、現在でもMicrosoftに対する「根深い不信感がごく一部に存在している」点を認めつつも、同コミュニティーに向け、時代の波に乗ることを勧めた。
同氏は「その責任の一部は、The Linux Foundationで長年にわたってMicrosoftをあざける発言をしてきた私にもある(同社の過去のマネジメントは当時、こうした発言に結びつくような行動をとっていた)。しかし時代は変わった。業界や、オープンソースコミュニティー、そして私も含め、皆が成長したことを認識する時が来た」と記している。
他の多くの人々が目にしているように、Microsoftは最高経営責任者(CEO)Satya Nadella氏の指揮の下、「Linuxはガン」と発言したものの後日になってその姿勢を和らげたSteve Ballmer氏に率いられていた時代とは異なった企業になっているとZemlin氏は述べている。
Microsoftは当時とは異なり、オープンソースへの愛を強調するようになっており、2016年にはThe Linux Foundationに加入している。そして米国時間6月4日、同社は75億ドル(約8200億円)という金額でのGitHub買収を発表するに至った。
Zemlin氏によると、ステージ上で「Developers, Developers, Developers」と叫んでいたBallmer氏は半分正しかったという。正しくなかったもう半分は、オープンソース開発者の重要性を過小評価していた点にあるという。
Zemlin氏は「Satya Nadella氏は今週(6月4日)、その見過ごしを鮮烈に正してみせた。Microsoftは以前からずっと開発者を愛しており、開発者が素晴らしいテクノロジを生み出せるようにするための優れたツールを提供すべく動こうとしている」と記している。