IDC Japanは6月13日、クラウド、ビッグデータを含むビジネスアナリティクス(BA)、エンタープライズモビリティ、ソーシャルビジネスからなる「第3のプラットフォーム」向けのITサービス市場について、支出額予測を発表した。これによると、同市場は重複を含む4分野の単純積み上げ総額で、2017年に1兆1673億円に達したと見ている。
IDC Japanは今回、これら4分野向けのITサービス支出額について2022年までの予測を実施。その結果、同市場は単純積み上げ総額で、2017~2022年に年平均成長率(CAGR)29.5%で成長し、2022年には4兆2580億円に達すると予測する。
しかし、これら4分野には例えば、クラウドを利用してアナリティクス基盤を構築する場合など相互に重複する領域があるため、単純積み上げ額が支出総額にはならない点に注意が必要だという。IDC Japanでは、予測期間の後半にかけて国内企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するために第3のプラットフォーム向けサービスを提供する場合が多くなるとみており、この重複領域が大幅に増加すると予測している。
国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場 支出額予測、2017~2022年(出典:IDC Japan)
IDC Japanによると、4分野の中でもっとも大きな影響を持つのはクラウド向けITサービス市場である。同市場は2017年にはBA向けを抜き、4分野の中で最大の市場となった。しかし、その成長率は衰えず、同期間のCAGRは40.8%の高成長を維持し、2022年には2兆8204億円に達すると予測する。
一方、国内BA向けITサービス市場は、予測期間の後半にかけてDXへの取組みにおいて新たなデータ活用を進める案件がけん引し、成長率が上昇。同期間のCAGRは15.0%で拡大すると見ている。
また、国内エンタープライズモビリティ向けITサービス市場は同期間のCAGRが20.6%。国内ソーシャルビジネス向けITサービス市場も、規模は小さいものの同期間のCAGRは30.2%と見ており、いずれも高い成長率で拡大すると予測する。
IDC Japanは、国内第3のプラットフォーム向けITサービス市場が、クラウド向けITサービスを中心として支出額の絶対的規模の拡大にもかかわらず高成長率を維持すると予測。その結果、2022年までに国内ITサービス市場における基本的/不可欠なサービスとしての地位を確立すると見ている。