Oracleの最高技術責任者(CTO)Larry Ellison氏は、Fusion ERPおよびFusion HCMのインターフェースで、「Amazon Alexa」などの音声サービスをサポートする予定だと発言した。
Ellison氏はOracleの第4四半期業績発表の電話会議で、同社は1つのデータセンターでSaaS、PaaS、IaaSを融合させる取り組みを完了したと述べた。
「SaaS、PaaS、IaaSの3つのカテゴリのクラウドサービスを1つの標準的なデータセンターに統合することで、資産を共有しつつ、かなりの規模の経済を享受できるようになった。これによって、クラウド事業の利益幅を引き続き拡大していける見込みだ」(Ellison氏)
このことは、顧客にどんなメリットをもたらすのだろうか。Ellison氏は、SaaS、PaaS、IaaSを同じデータセンターで提供することで、新たな統合機能の提供が容易になると述べている。Oracleの競合企業は、主にSaaSかIaaSのどちらかに力を入れている。Ellison氏は、次のように続けた。
例えばOracleは最近、顧客の1つが、わが社のモバイルサービス、クラウドのグローバルサービス、クラウドの音声サービス、クラウドの機械学習サービスを使って、Fusion HCMのシステムをAmazon Alexaの音声インターフェースで拡張して、休暇申請と休暇承認の機能を実現した事例のデモを行った。
これらの機械学習、音声、モバイルに関する新技術を開発したのは、わが社のすべてのアプリケーションに音声機能を追加できるようにするためだ。チャットボットと音声を組み合わせたこれらの音声システムは、すべて機械学習を利用したもので、今後これらの音声システムを、Fusion ERPとFusion HCMの次世代UIとして組み込んでいく。Fusion HCMとFusion ERPに音声インターフェースを追加するために使用している技術は、わが社のクラウドで、顧客に対してPaaSサービスとして提供される。このため、顧客がFusion ERPやFusion HCMに追加したいものがあれば、わが社が自社のアプリケーションの構築に使用しているのと同じツールを使って追加することができる。
Ellison氏が提示した考え方は、ほかのエンタープライズソフトウェア企業の間にも加速度的に広がっていく可能性が高い。ほかの企業も、自社のアプリケーションを音声で利用できるようにすることを目指している。音声が今後、本当に新たなユーザーインターフェースとして普及するとすれば、そのプロセスは企業から始まるのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。