オートメーション・エニウェア・ジャパンは6月22日、報道機関向けの製品説明会を開催した。ロボティックプロセスオートメーション(RPA)ツールを中核に、人工知能(AI)やデータ分析(BI)の機能を組み合わせた“デジタルワークフォースプラットフォーム”を提供する。
オートメーション・エニウェア・ジャパン 日本代表のSreeni Unnamatla氏
米Automation Anywhereは2003年創業のRPAベンダー。これまで人間が手動で処理していた作業をソフトウェアロボット(ロボット)が代行することで、業務の効率化や自動化を実現する。現在、世界90カ国以上、1000社超の企業に導入され、金融サービスや保険、医療、テクノロジ、製造、通信、物流などの業界で活用されている。2018年1月に日本法人を設立した。
同社は、ロボットの開発実行環境となるRPAツール「Automation Anywhere Enterprise」、ロボットの稼働状況などを分析するBIツール「Bot Insight」、AI機能を備えたロボット「IQ Bot」などを提供する。ロボット開発者向けのマーケットプレイス「Bot Store」、従量課金制のオンデマンドプラットフォーム「Bot Farm」も用意する。
オートメーション・エニウェア・ジャパンの製品ポートフォリオ
画面操作を記録するだけで、ロボットのコマンドが自動生成される。それをもとに、任意のコマンドをドラッグ&ドロップ操作で追加する。キー入力はコマンドへのパラメータ指定のみで、プログラミングは一切必要ないという。
また、AIを使った画面認識機能も備わっており、ユーザーインターフェース(UI)の変更などに自動で追随する。例えば、業務で使っているシステムのレイアウトが変わったとしても、ロボットを改修せずにそのまま対応できる。
オートメーション・エニウェア・ジャパン セールスエンジニアの秋本尚吾氏
BIツールが組み込まれている点も特徴の一つ。ロボットの稼働状況や処理の成功失敗などをダッシュボードで一覧表示するほか、ロボットによる受注金額といったビジネス価値を数値化することも可能。RPA導入の費用対効果を算出する際に役立てられる。
ロボットの開発実行環境は、必ずサーバに接続して利用する仕組みとなっており、ロボットや実行環境の状態をリアルタイムに分析できる。これによって“野良ロボット”の発生を防ぐ中央集権的な構造となっている。
5月に提供開始したIQ Botは、財務諸表や注文書、請求書をはじめとする煩雑な帳票のフォーマットを自動認識し、そこから必要な情報を構造化データとして取り出せる。オートメーション・エニウェア・ジャパン 日本代表のSreeni Unnamatla氏によると、日本語対応版は2018年内に提供する計画だ。
IQ Botを含め、同社の顧客やパートナーが開発したロボットを共有する仕組みがBot Storeである。「MetaBot」と呼ばれる再利用可能なライブラリを提供し、ロボットの開発を加速するという。また、バックエンドのシステムにアクセスするライブラリと、そのライブラリを呼び出すロボットを分離することで、メンテナンス性を高めている。2018年末までに500個のロボットを公開予定。
「RPA導入に関して、ユーザー部門と情報システム部門の間で意識の違いがある。Automation Anywhereは、そうした双方の期待に応えられるRPAソフトウェアだ」とオートメーション・エニウェア・ジャパンでセールスエンジニアを務める秋本尚吾氏は強調した。
ユーザー部門と情報システム部門の間で意識に違い