調査

デジタル変革への支出、2018年は1.1兆ドル超へ--IDC

Natalie Gagliordi (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2018-06-25 11:13

 調査会社のIDCは、企業が2018年にデジタル変革を実現する技術とサービスへの支出を増加させると予想している。これには、アプリケーション、コネクティビティサービス、ITサービスなどが含まれる。

 2017年には、2018年のデジタル変革技術(ハードウェア、ソフトウェア、サービス)への世界支出は1兆3000億ドルになるとIDCは予想していた。

 最新の支出ガイダンスは、デジタル変革への支出がどこに向けられているのかということや、求められている優先順位などに一層フォーカスしたものとなっている。IDCの予想によると、デジタル変革の技術とサービスへの2018年の企業の支出は前年比16.8%増の1兆1000億ドル(約120兆円)を超えるという。2017年は9580億ドル(約105兆円)だった。

 デジタル変革は、ビジネスモデルとプロセスを一新して、より効率的で効果的なものにするためにデジタル技術を利用する。大規模なレガシー企業にとってデジタル変革プロジェクトは、より動きが早くデジタルなライバル企業と戦う手段をもたらす場合が多い。

 業界別では、ディスクリート製造業とプロセス製造業が支出をけん引するとIDCは見ており、支出は合計で約3330億ドル(約36兆円)を超える見通しとしている。またディスクリート製造業とプロセス製造業は、多くのデジタル変革の優先順位、プログラム、ユースケースについて目標を設定しているという。重要な支出分野には、材料の最適化、物流の自動化、スマートな資産管理、業務の自動化、デジタルサプライチェーンの最適化などがある。

 建築業と小売業もデジタル変革の目標達成に向け、積極的に投資しているという。IDCはまた、デジタルグリッド、オムニエクスペリエンスエンゲージメント、オムニチャネルコマース、イノベーションの加速などが2018年に大きな資金が投じられる戦略的な優先事項となっているとしている。

 IDCでカスタマーインサイト&分析グループ担当リサーチマネージャーを務めるCraig Simpson氏は、2018年に支出レベルが低い戦略的優先分野には、コグニティブ機能の構築、データ駆動のサービス、データと情報を運用可能にすること、デジタルトラストなどがあると述べている。これは、多くの企業で自社のデジタル変革がまだ初期段階にあり、社内で既存のプロセスや効率の改善にフォーカスしていることを示しているという。

デジタル変革
提供:Getty Images/iStockphoto

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    改めて知っておきたい、生成AI活用が期待される業務と3つのリスク

  2. ビジネスアプリケーション

    ITR調査結果から導くDX浸透・定着化-“9割の国内企業がDX推進中も成果が出ているのはごく一部”

  3. クラウドコンピューティング

    生成 AI リスクにも対応、調査から考察する Web ブラウザを主体としたゼロトラストセキュリティ

  4. ビジネスアプリケーション

    Google が推奨する生成 AI のスタートアップガイド、 AI を活用して市場投入への時間を短縮

  5. セキュリティ

    初心者にも優しく解説!ゼロトラストネットワークアクセスのメリットと効果的な導入法

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]