「医療分野での機械学習やAIの出現は、システムに支援された医療の提供をもたらし、安全で自律的な治療への道を切り開く、強化された医療の提供に向けた取り組みのきっかけとなるだろう。これはいずれ、医療の自動化につながる可能性がある」(Corbridge氏)
3.問題に対する回答を見つける
メディア関連企業Skyのデジタルアナリティクスと意思決定の責任者であるRob McLaughlin氏によれば、同社では、高度な技術で人間の専門性を底上げするためのデータ対する最先端のアプローチの一環として、AIと機械学習を利用しているという。その狙いは、Skyが英国の顧客に提供している製品やサービスに関してより賢明な意思決定を行うことだ。
「まず問題定義を行う必要がある。そして、わが社が抱えているもっとも明らかな問題は、われわれには1100万人の顧客がおり、その要求がすべて異なっているということだ。われわれは、顧客を1つの枠に収めようとするのではなく、その差異を受け入れる方法を考える必要がある。これは、どんなときでも1100万通りの意思決定を行えなくてはならないことを意味している。機械学習は、そのような意思決定をできる限り効果的に行うための優れた手段だ」と、McLaughlin氏は述べている。
機械学習かAIのどちらを選ぶか迷っている企業は、自分の会社がデータを使って大きな戦略的意思決定を下そうとしているのか、顧客レベルのミクロな意思決定を行おうとしているのかを考える必要がある。「私の部門では、ミクロレベルの意思決定を重視している。それが私のチームが取り組んでいることだ。われわれは、顧客のために数百万もの意思決定を行っている」と同氏は言う。
「しかし、事業部門が次にどの製品を提供するかを決めたり、コンテンツプロバイダーからどのコンテンツを買うべきであり、それが顧客との関係にどのような影響を与えるかを判断するのを支援する目的なら、私は機械学習を使うだろう。その場合には、機械学習を使うことで、アクションではなく知見を提供することが重要だ」(McLaughlin氏)